米価下落への緊急対策決める 農水省2014年11月14日
農林水産省は11月14日に26年産米への緊急対策を決めた。
◆26年産米生産者に無条件融資
当面の資金繰り対策として「農林漁業セーフティネット資金」について[1]融資の円滑化、[2]実質無利子化を行う。
通常、日本政策金融公庫の同セーフティネット資金の融資を受けるには、売上げ高の1割減少や一定の所得率の低下などを書類として提出する必要があるが、緊急対策では26年産米を生産していれば融資を受けられるよう同日関連通知を公庫に指示する。
また、0.35%?0.45%の利子を補給し貸付当初1年間の実質無利子化も行う。
利子補給の対象は今年7月からの借入者までさかのぼって適用する。26年産米の概算金が提示されたのが7月だったことから、その時期から資金繰り対応として同資金をした利用した農業者にまで配慮することにした。貸付枠は今年度予算200億円、来年4月以降は100億円準備されているという。
◆直接支払い交付金を年内に
米価が下落したときの収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)の支払いは3月までの価格をもとに翌年度に支払われることが法律で定められており通常は5月から6月になる。そのため今回の融資円滑化と実質無利子対策で「実質前倒し支払い」(自民党農林議員)とする考えだ。
また、既存資金の償還猶予などの措置も行うよう関係金融機関に要請する。
生産数量目標に従って米づくりをおこなった生産者を対象にして直接支払い交付金(10aあたり7500円)の年内支払いも行う。基本的に12月15日までに交付を完了するよう対応する。
26年産米では青死米が平年水準を大きく超えて発生していることから、ナラシ対策のための収入額を作況指数ベースで算定すると実態よりも増額となってしまい、地域によっては補てんが実態に合わない不十分な補てんとなってしまう可能性もある。そのため当年産収入額を算定するため、国と当該都道府県が協議して単収の調整を行う。
そのほか▽JA全農に対して早期追加払いの要請、▽米穀機構が長期計画的に販売するための保管料等の支援も行う。
(関連記事)
・26年産米相対取引価格1万2000円台(2014.11.05)
・米の卸間取引 1俵9970円 取引会結果(2014.11.04)
・主食用米20万t程度減少 26年産米(2014.10.31)
・27年産飼料用米60万tを目標 JAグループ(2014.10.29)
・26年産米の1等比率79.2%(2014.10.24)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日