水蒸気で水稲種子消毒 5秒の加熱で高い効果2014年12月12日
農研機構、山本製作所が共同開発
農研機構生研センター、山本製作所は高能率な水稲種子消毒装置を新開発した。加熱水蒸気を利用する新たな手法で、わずか5秒で温湯消毒と同等以上の消毒効果を発揮できる。
水稲の栽培で、農薬の使用量を減らすとともに高品質な米を生産できるとして、温湯消毒を取り入れている産地は多い。
近年、大型の温湯消毒装置などが開発されてはいるものの、現場では消毒後の脱水、乾燥などに時間がかかる、種子の貯蔵性がよくない、などといった意見もあるという。
そこで農研機構と山本製作所の両者は、脱水・乾燥が不要な消毒技術の開発に着手。平成23年から開発をはじめ、このたび実用化の見通しとなった。
新たな技術は高熱の水蒸気を使う方法だ。温湯よりも高温で処理でき、また、処理後の脱水・乾燥などの時間も大幅に省略化できる。温湯消毒では約10分かかる消毒が、この装置を使うとわずか5秒で、いもち病、ばか苗病、もみ枯細菌病、苗立枯細菌病、褐条病に対しては温湯消毒と同等、ごま葉枯病、イネシンガレセンチュウに対しては温湯消毒以上の焦土高校かを発揮する。また、発芽率への影響もない。
装置の作業効率は1時間あたり100?150kgで、ランニングコストは水稲種子1kgあたり約4円で済む。
実用化は平成27年を予定している。
12月17日13時からは、埼玉県さいたま市の農研機構生研センターで実演会・検討会を行う。実演会については新農機ホームページで。
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