品種改良へ向けて 小麦の製粉性に関わる21個の遺伝子発見 農研機構2015年10月13日
農研機構は10月8日、小麦粉の性質(製粉性)に関わる21個の遺伝子の発見を公表した。今後は品種改良などに役立てていく予定となっている。
農研機構は北海道立総合研究機構北見農業試験場と長野県農業試験場と共同で、小麦品種「きたほなみ」の育成の系譜を足掛かりとして、小麦粉の性質に関わる21個の遺伝子を見つけた。
2006年に北海道立北見農業試験場(当時)で育成された「きたほなみ」は、現在国内の小麦生産量の約半分を占めている品種。他の軟質小麦品種に比べ、一定量の小麦の粒から多くの小麦粉が得られることが分かっている。
小麦は品種によって製粉性の良しあしに差があり、品種改良で地道に製粉性の良いものが選び続けられてきた歴史がある。
今回、製粉性に関わる21個の遺伝子のうち18個を「きたほなみ」が保有しているためであることがわかった。これは「きたほなみ」が育成の過程で、製粉性の良い個体が選び続けられた結果、集積したことによるものと分析された。
また、日本の品種が古くから持っている遺伝子と約60年前に外国から導入されたいくつかの遺伝子が出会い、「きたほなみ」がうまれた事実も明らかとなった。
今後は「きたほなみ」の縞萎縮病への弱さや本州以南の栽培への適正などの改良に役立たせていく予定となっている。
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