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もと湿地の水田に洪水の抑制機能 発揮条件を定量的に示す 首都大学東京など研究チーム2020年3月25日

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 首都大学東京、京都産業大学、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの研究チームは、日本全国に存在する生態系で半自然環境である水田に注目し、長期的な洪水災害の発生データと、水田の立地条件の関係を検討したところ、もともと湿地であったと考えられる場所に水田があると、洪水が発生しにくい傾向があることを明らかにした。

 自然環境を利用した防災や減災は、近年増加している自然災害に対抗できる考えだが、もともと自然湿地だった場所に立地する水田が、洪水発生を抑制する機能が高いことが示唆された。この研究結果は、水田が食料生産の場としてだけでなく、防災インフラやグリーンインフラとして利用できる可能性を示している。

 同研究は、津波や高潮といった海に由来する災害の影響を排除し、豪雨による河川氾濫など陸水由来の洪水に絞るため、関東内陸に位置する栃木県、群馬県、埼玉県の3県の市町村を対象に実施。

 統計情報から得た2006年から2017年までの洪水被害の発生回数と、水田の立地の関係を検討し、水が頻発している市町村とそうでない市町村で、水田の立地条件に違いがあるかどうかを比較した。

 また、洪水に付随して発生すると考えられる土石流、地すべりの2006年から2009年の間における発生の有無についても同様の検討を行った。

累積流量(FA)の概念図累積流量(FA)の概念図(クリックで拡大)

 水田の立地条件には、地表面における水の流れをシミュレートして算出される、累積流量: Flow Accumulation(FA)という地形パラメータを利用(図1)。この値が高く、河川流路になっていない場所は水分が潤沢な湿地環境になると考えられる。
 その結果、FAが高い地表を流れる水を貯めやすい地形条件下に水田が立地している市町村では、洪水の発生頻度、土石流、地すべりの発生が少ないことがわかった。
 地表を流れる水を貯めやすい場所は、過去には氾濫原湿地をはじめとする自然湿地であった可能性が高い。ここに水田が立地しているということは、水田という半自然環境に変化したとはいえ、過去から現在にわたり長期的に湿地環境が維持されてきた場所であることを示唆。

 生態系は、人間が開発する前に近い状態で利用することで、その生態系がもともと持っている生態系機能が強く発揮されることを示唆している。


表水を貯められる水田の立地と、洪水および関連被害の関係表水を貯められる水田の立地と、洪水および関連被害の関係(クリックで拡大)
 

 図2は、栃木、群馬、埼玉県の各市町村における(a)地表水を貯めやすい水田の比率、(b)洪水の発生頻度、(c)地すべりの発生、(d)土石流の発生それぞれを図示した。マルで囲まれている市町村(栃木県芳賀町、埼玉県深谷市)に注目すると、地表水を多く貯められる水田を多く持つ場所では、洪水の発生頻度、地すべり、土石流が全て少ない傾向が読み取れる。

 この2市町はあくまで例で、この傾向は3県における共通傾向であることが統計的に示された。

 これまでも、水田を含む農地は食料生産以外に様々な機能を持つことは知られており、自然災害を抑制する機能も含まれていたが、検証の多くは小規模なケーススタディに留まり、広域的に評価した例は限られていた。

 同研究によって水田が自然災害の抑制機能を持つこと、その機能が発揮される条件が定量的に示されたため、実際に水田を防災インフラとして土地利用計画に反映させる根拠として活用できる可能性があるという。

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