【26年度飲用乳価交渉】関東で「据え置き」 業界挙げ消費拡大へ2026年1月26日
大手乳業メーカーと指定生乳生産者団体の2026年度飲用乳価交渉は、26日までに関東が先行して「据え置き」で決着した。需要低迷が響いた。2月中には各指定団体で同様の決着となる見込み。業界挙げた消費拡大が一段と重要となる。(農政ジャーナリスト・伊本克宜)
飲用乳価交渉には需給緩和が支障となった。Jミルクは統一サイトを新設、消費拡大を目指す
■「据え置き」の意味
関東生乳販連は昨年12月から大手メーカーと26年度飲用乳価交渉に入っていたが、当初から「据え置き」での着地を目指していた。これまで数年間で合計生乳1キロ当たり20円以上の値上げを実現してきたが、値上げに伴う消費低迷回避を最重視したためだ。
◇最近の関東生乳販連の乳価引き上げの動き
・2019年4月 4円
・2022年11月 10円
・2023年8月 10円
・2025年8月 4円
・2026年4月 据え置き
※生乳キロ当たり、年度、引き上げ額
■米価高騰も影響か
今回の「据え置き」決着は、今後の飲用乳価交渉が転機に立っていることを示す。
飲用乳価交渉は、単に生産者価格引き上げにとどまらず、スーパーなどの納入価格アップとセットで議論される。メーカーが小売価格へ価格転嫁できなければ、生産者価格上げの財源が確保できないためだ。飲用乳価の度重なる値上げに連動して小売価格も上がり、1リットル当たり200円以下の牛乳はほぼ姿を消した。
だが問題は消費動向だ。酪農・乳業関係者には、食品の家計支出で米を最優先にするため、牛乳などその他食品に使う金額が限定されるため、需要伸び悩みにつながっているのではないかとの見方も強い。
■牛乳価格も低下傾向に
22日発表のJミルクの最新の需給短信では、牛乳販売個数は3週連続で前年超えの一方で、平均販売単価が下落傾向にあるとしている。
それを裏付けるように、今年に入ってスーパーの週末セールでは大手乳業のNB(ナショナルブランド)牛乳でも218円程度の低価格で売られるケースが散見される。直近の飲用乳価交渉では2025年8月に飲用乳価4円値上げし、連動して小売価格も牛乳1リットル当たり10円程度上がった。その結果、大手乳業NB牛乳は通常、300円前後の価格で販売してきた。それが、需要低迷を踏まえ拡販を目指し週末に値下げを余儀なくされているのだ。
こうした実態の中で、26年度飲用乳価は「据え置き」となった。円安に伴う飼料をはじめ生産資材、光熱費アップなどで酪農家のコストは高止まりしており、本来なら引き続き飲用乳価値上げを求めるのは当然だ。だが、需要低迷を放置すれば、生乳生産抑制という最悪のシナリオにもつながりかねない。苦渋の選択として「据え置き」決着となったと見るべきだろう。
■難局打開へ需要底上げ
生乳需給緩和の難局打開には、牛乳と脱粉原料のヨーグルトなどの国産生乳需要をいかに拡大していくかだ。Jミルクでは統一ポータルサイトを新設、需要拡大へ情報発信力を強めている。
酪農・乳業の関係団体これまでばらばらだった酪農乳業界の需要拡大策を「牛乳でスマイルプロジェクト」の傘の下で、統一的に実需を伴う効果的な対応を取る。
「牛乳でスマイルプロジェクト」共通ロゴなどを使用した関係8団体は国産牛乳・乳製品需要拡大の主な取り組みを見よう。
Jミルクは需要拡大へ統一ポータルサイトを新設、情報発信を強化。中酪は消費者理解促進活動を強化。日本乳業協会は「牛乳でスマイル」40社以上参加、異業種コラボ。JA全農は通販サイト「JAタウン」で酪農家応援キャンペーン。全酪連、全国農協乳業協会は若年層への理解促進に力を入れる。全国乳業協同組合連は各自治体との連携、「土日ミルク」活動。全国牛乳流通改善協会は全国の牛乳販売店で価値訴求、販促活動を強化している。
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