メタン産生抑制効果が期待される新規細菌種 乳用牛の胃から発見 農研機構2021年12月1日
農研機構は、乳用牛の第一胃から、プロピオン酸前駆物質を既知の近縁菌より多く産生する新種の嫌気性細菌を発見した。牛の第一胃では、プロピオン酸が多く産生されると、メタン産生が抑制されることが知られており、今後、この菌の機能を詳しく調べることで、牛のげっぷ由来のメタン排出削減に貢献することが期待される。
牛の第一胃内発酵の概略図。発酵で生じる水素は、メタン産生やプロピオン酸産生等によって消費される
牛は、第一胃に共生する微生物の作用により飼料を分解、発酵し、発酵で生じるプロピオン酸などの短鎖脂肪酸を主要なエネルギー源として利用している。同研究では、農研機構が保有する胃液中のプロピオン酸濃度の高い乳用牛から、コハク酸、乳酸、リンゴ酸などのプロピオン酸前駆物質を産生する新規の嫌気性細菌(Prevotella属細菌)を分離した。この菌は、第一胃内に生息する既知のPrevotella属細菌よりもプロピオン酸の前駆物質を多く生成する特徴がある。
第一胃でプロピオン酸が多く産生されると、メタン産生が抑制されることが知られている。この菌の発酵機能や増殖促進条件を明らかにすることで、乳用牛のげっぷ由来のメタン排出削減と、地球温暖化の緩和に貢献すると期待される。また、プロピオン酸産生の促進は飼料利用性の改善にもつながることから、同成果は乳用牛の生産性向上にも貢献すると期待される。
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