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泡盛粕発酵飼料を活用 牛呼気のメタンガスを47%削減 やえやまファーム2023年6月30日

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ロート製薬のグループ会社で農業生産法人・有限会社やえやまファーム(沖縄県石垣市)は、泡盛メーカーの製造過程で生じる蒸留粕を発酵した飼料を牛に与えたところ、呼気中のメタンガス量が減少していること、また、糞便中の短鎖脂肪酸が増加していることを確認。今後は、短鎖脂肪酸増加と肉質に関する研究を進め、泡盛粕を用いた新しい循環型農業の実現を目指す。

図1図1

同社およびグループ会社は、2013年から石垣で循環型農業を実践。パイナップルジュースを生産する際に生じる搾り粕を、ブランド豚である南(ぱい)ぬ豚の飼料に活用し、その糞尿を堆肥として土壌に還元、栽培したパイナップルをジュース等に加工する取り組みを進めている(図1)。

日本のメタン排出量のうち、牛などの消化管内発酵で排出されるメタンは27%を占めており(2019年確報値)、温室効果ガスの排出削減技術の開発が課題となっている。これまで、メタン低減に効果的だった抗生物質については、耐性微生物の出現などの懸念から、その使用を禁止する地域(EU)や、今後の継続使用に慎重な地域(日本)がある。

同社は環境負荷の少ない方法により、メタンガスの低減対策に取り組んできた。石垣島の泡盛メーカーでは製造過程で蒸留粕が副産物として発生し、不要な蒸留粕の保管や廃棄に苦労してきた歴史がある。やえやまファームでは、その泡盛粕を発酵して飼料に配合し、牛の呼気中メタンガスに及ぼす影響について検証してきた。

図2、図3図2、図3

その結果、泡盛の蒸留粕を配合した発酵飼料を与えた牛(泡盛粕投与群)と、通常飼料を与えた牛(通常食群)で、呼気中のメタンガスを測定したところ、泡盛粕投与群の呼気中メタンガス濃度は有意に減少していることを確認(図2)。また、文献値を基にメタンガス濃度からメタンガス発生量(L/day/頭)を算出したところ、泡盛粕投与群のメタンガス発生量はおよそ47%減少していることを確認した(図3)。

図4図4

さらに、泡盛粕投与群と通常食群の牛について、糞便中の短鎖脂肪酸を測定したところ、泡盛粕投与群において、短鎖脂肪酸の1種である酢酸の量が有意に増加していることを確認(図4)。また、短鎖脂肪酸である酪酸、プロピオン酸でも同様の傾向が認められた。これにより、泡盛粕発酵飼料の投与が牛の腸内環境に影響を与える可能性が示唆された。短鎖脂肪酸は、動物の組織でエネルギー源となり、脂肪を合成する材料としても利用されることが知られている。

同研究により、泡盛の製造副産物である蒸留粕を発酵させて牛の飼料に配合することで、牛の呼気から排出されるメタンガス濃度や発生量が減少することが分かった。メタンガスは地球温暖化の原因として世界的な課題と考えられており、同社は、環境負荷を低減する方法やメカニズム解明の研究を進める。一方、短鎖脂肪酸は反芻家畜の主要なエネルギー源になることが知られていることから、脂肪の質や肉質の改善にも寄与できる可能性を探る。

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