多種類の抗菌剤に耐性を持つ病原性大腸菌に有効な抗菌剤を同定 農研機構2023年12月7日
多種類の抗菌剤に耐性を持つ病原性大腸菌による疾病が養豚で問題となる中、農研機構は、過去29年間に国内の豚から分離された病原性大腸菌の薬剤耐性について解析し、多剤耐性菌にも有効な抗菌剤を同定した。豚の治療時に効果の高い抗菌剤を使うことで、治療成績の向上と薬剤耐性菌の低減につながると期待される。
豚の下痢や浮腫病は病原性大腸菌が原因となる疾病で、養豚産業に大きな経済的損失をもたらす。その治療には抗菌剤が重要だが、病原性大腸菌が抗菌剤に耐性を持つ場合、使える抗菌剤の選択肢が狭くなり、効かない抗菌剤の使用は薬剤耐性菌のまん延を招くリスクとなる。近年、多種類の抗菌剤に耐性を持つ(多剤耐性)病原性大腸菌による豚の疾病が大きな問題となっており、有効な抗菌剤を見つけることが求められている。
農研機構は、1991年から2019年までの29年間に国内で下痢や浮腫病の豚から分離された病原性大腸菌1708株についてヒト用・家畜用14系統26種類の抗菌剤に対する耐性を解析し、2種類の抗菌剤(アプラマイシン、ビコザマイシン)が多剤耐性病原性大腸菌にも有効であることを明らかにした。
最大限の治療効果を上げ、薬剤耐性菌の出現を最小限に抑えるには、抗菌剤を使う前にその必要性を検討し、有効な抗菌剤を適切に選び、法令等を遵守して適正に使用すること(抗菌剤の慎重使用が極めて重要。今回発見されたような多剤耐性病原性大腸菌にも有効な抗菌剤を慎重に使うことで、治療成績の向上と薬剤耐性菌の低減につながると期待される。
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