加工用トマト成熟期の病害による腐敗要因を解明 摂南大学2026年3月31日
摂南大学農学部農業生産学科の飯田祐一郎准教授とカゴメの共同研究グループは、加工用トマトの成熟期に見られる果実の腐敗症状について、その発生要因を解明した。研究成果により、菌の防除対策などの基礎的知見として役立てられることが期待される。
加工用トマトの栽培風景(左)と成熟期に腐敗症状が現れた罹病果
近年の加工用トマトは、生産者の高齢化の影響や安定生産を目的として、機械化収穫体系の導入が進んでいる。機械収穫では一斉に収穫を行うため、同熟性(複数の果実が一挙に赤くなる形質)が求められるが、同熟性を高めることにより、成熟期に病害による腐敗症状が一気に進行することがある。こうした腐敗は、生産性の低下を招き、さらには収穫量の減少につながるため、生産者にとって長年の課題となってきた。さらに、これらの腐敗症状がどの病害により発生しているかなど、詳しい発生メカニズムについてはこれまで十分に明らかになっていなかった。
そこで、飯田准教授らの研究グループは国内の畑で発生した加工用トマト果実の腐敗部から微生物を分離し、解析に取り組んだ。その結果、Colletotrichum属とAlternaria属という複数の糸状菌が腐敗症状に関与し、特に成熟した果実に症状が強く現れることを明らかにした。また、Colletotrichum属の中でも複数の種が関わることを見いだし、栽培現場で見られる特徴的な症状の再現も確認した。
今後は、これらにより得られた基礎情報を活用し、加工用トマトの安定生産に向けた病害抵抗性品種の開発や、収穫量低下を防ぐための新たな防除対策技術の確立などを通じて、持続的な農業生産に貢献することが期待される。
この研究成果は2月3日、植物病理学分野の国際学術誌『European Journal of Plant Pathology』に掲載された。
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