配合飼料供給価格 6期ぶり値上げ パナマ運河の通航制限や円安など影響 全農2023年12月19日
JA全農は2024年1~3月期の配合飼料供給価格を12月19日公表した。全国全畜種総平均トン当たり約2800円値上げする。値上げは6期ぶり。
トウモロコシのシカゴ相場は下落したものの、パナマ運河の通航規制による海上運賃の値上げや、円安が影響した。改定額は地域別・畜種別・銘柄別に異なる。
トウモロコシのシカゴ相場は9月には1ブッシェル(25.4kg)4.8ドル前後となっていたが、ウクライナ情勢の悪化などで同4.9ドル前後まで上昇した。ただ、その後は米国産地での収穫が順調に進み相場は軟調な展開となり、現在は同4.8ドル前後で推移している。今後は南米産の収穫量などに左右されるという。
大豆粕は9月上旬には1トン440ドル前後だったが、米国産大豆の収穫が順調に進んだことから10月初めには同410ドル台まで下落、その後、高温乾燥による南米産大豆の作柄悪化懸念から高騰し、同500ドルを超える水準まで上昇した。ただ、南米での天候改善予報を受けて同450ドル前後で推移している。
国内大豆粕価格はシカゴ相場の上昇と円安の影響で値上がりが見込まれるという。
海上運賃は高騰している。パナマ運河庁は10月30日、干ばつによる水位低下のため、例年は1日当たり約40隻の通航数を11月以降段階的に減らし、来年2月には1日当たり18隻程度に制限すると発表した。そのため8月初旬には1トン50ドル台前半だった海上運賃(米国ガルフ・日本間のパナマックス型)は現在は同60ドル台となっている。
パナマ運河の通航制限で、スエズ運河や南アフリカの喜望峰周りの航路へ変更となり、航海日数が増えることのよる運賃増も生じている。
パナマは4月まで乾季となり運河の水位改善は見込めず、通航制限は継続される見通しであり海上運賃は堅調に推移する見込みだという。
全農によるとシカゴ定期は下落したものの、海上運賃の高騰や円安などの影響で値上げとなった。
パナマ運河の水不足は4月まで続くが、年明けからはブラジルなど南米産地からの輸出に変わり、パナマ運河を使わないルートによる輸送が増えるため海上運賃がさらに高騰するかどうかは見通せない、としている。
配合飼料価格は2022年7~9月期に過去最高となる1トン当たり1万1400円の値上げとなったが、据え置き後は4期連続で計7700円値下げした。ただ、まだ昨年の4~6月期価格に比べれば3000円以上高い状況だった。今回の値上げで再び約2800円上がることになる。
重要な記事
最新の記事
-
(382)「ファミリー・ビジネス」の生き残り【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年5月3日
-
むらの掟【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第289回2024年5月2日
-
主食用多収品種の「にじのきらめき」が人気になる理由【熊野孝文・米マーケット情報】2024年4月30日
-
令和6年春の叙勲 5人が受章(農水省関係)2024年4月29日
-
シンとんぼ(90)みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(1)2024年4月27日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(8)【防除学習帖】 第247回2024年4月27日
-
土壌診断の基礎知識(17)【今さら聞けない営農情報】第247回2024年4月27日
-
【欧米の農政転換と農民運動】環境重視と自由化の矛盾 イギリス農民の怒りの正体と運動の行方(2)駒澤大学名誉教授 溝手芳計氏2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内で多発のおそれ 熊本県2024年4月26日
-
【注意報】核果類にナシヒメシンクイ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年4月26日
-
【注意報】ムギ類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年4月26日
-
「沖縄県産パインアップルフェア」銀座の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年4月26日
-
「みのりカフェ博多店」24日から「開業3周年記念フェア」開催 JA全農2024年4月26日
-
「菊池水田ごぼう」が収穫最盛期を迎える JA菊池2024年4月26日
-
「JAタウンのうた」MV公開 公式応援大使・根本凪が歌とダンスで産地を応援2024年4月26日
-
中堅職員が新事業を提案 全中教育部「ミライ共創プロジェクト」成果発表2024年4月26日
-
子実用トウモロコシ 生産引き上げ困難 坂本農相2024年4月26日
-
(381)20代6割、30代5割、40/50代4割【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月26日
-
【JA人事】JA北つくば(茨城県)新組合長に川津修氏(4月20日)2024年4月26日