温室効果ガス(GHG)削減へ 民間酪農牧場で乳用牛の消化管由来メタン測定試験を開始2024年7月9日
ファームノートホールディングスは、エス・ディー・エス バイオテック、出光興産と、サステナブルな酪農畜産経営を実現するため、三社共同試験を開始。温室効果ガス(GHG)削減に向け、民間酪農牧場で乳用牛の消化管由来メタン測定試験を始める。
ファームノートHDグループのファームノートデーリィプラットフォーム(北海道標津郡中標津町)は、管理搾乳頭数670頭、全飼養頭数1450頭の酪農経営牧場。ファームノートDPで飼養する搾乳牛に、機能性飼料「カシューナッツ殻液含有飼料」を給与し、給与前後での個体ごとのメタン排出量の削減効果を測定する試験を開始した。
ファームノートDPが各個体の搾乳データや、排出されるメタン及び二酸化炭素の測定データなどを提供し、カシューナッツ殻液含有飼料の供給とメタンガス測定データの解析をエス・ディー・エス バイオテックが担当する。
反芻動物である牛は、第一胃(ルーメン)で食べた草や飼料をルーメン内微生物が消化(発酵)する際にメタンガスを生成し、主にゲップとして排出する。メタン(CH₄)は二酸化炭素(CO₂)と並び、重要な温室効果ガス(GHG)の一つで、その温暖化係数はCO₂の約25倍。世界全体の反芻動物由来のメタン排出量は年間2.7ギガトンのCO₂換算(GtCO₂e)とされ、人為的なメタン排出量の約30%を占める。つまり、牛などの家畜からのメタン排出の地球温暖化への関与は大きいといえる。
牛からのメタン排出を削減する上で、飼料の改良は大きな意味を持ち、消化管由来のメタン生成を抑制する方法として、「カシューナッツ殻液含有飼料」の給与は期待ができると考えられる。また、排出量の測定と管理を行うことで、効果的な対策を実施する基礎とすることができる。
今回の実証試験では、「カシューナッツ殻液含有飼料」給与前後でのメタン排出量を比較。試験牧場ではない、民間の酪農牧場で実際の搾乳牛の個体ごとのメタン削減量を測定することは、カーボンニュートラル実現に向けた飼養管理確立の上で、画期的なものと考えられる。
ファームノートDPは中標津に第一牧場をおき、働く「人」と「牛」そして「環境」に配慮した酪農生産のDX化(デジタルトランスフォーメーション化)を推進。これまでも特殊なふん尿処理によるGHGの削減(固形分の利活用)など環境負荷軽減に取り組んできた。今回の共同試験もその一環で行われる。
重要な記事
最新の記事
-
第21回イタリア外国人記者協会グルメグループ(Gruppo del Gusto)賞授賞式【イタリア通信】2025年7月19日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】「政見放送の中に溢れる排外主義の空恐ろしさ」2025年7月18日
-
【特殊報】クビアカツヤカミキリ 県内で初めて確認 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年7月18日
-
『令和の米騒動』とその狙い 一般財団法人食料安全保障推進財団専務理事 久保田治己氏2025年7月18日
-
主食用10万ha増 過去5年で最大に 飼料用米は半減 水田作付意向6月末2025年7月18日
-
全農 備蓄米の出荷済数量84% 7月17日現在2025年7月18日
-
令和6年度JA共済優績LA 総合優績・特別・通算の表彰対象者 JA共済連2025年7月18日
-
「農山漁村」インパクト創出ソリューション選定 マッチング希望の自治体を募集 農水省2025年7月18日
-
(444)農業機械の「スマホ化」が引き起こす懸念【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月18日
-
【サステナ防除のすすめ2025】水稲害虫の防ぎ方「育苗箱処理と兼ねて」2025年7月18日
-
最新農機と実演を一堂に 農機展「パワフルアグリフェア」開催 JAグループ栃木2025年7月18日
-
倉敷アイビースクエアとコラボ ビアガーデンで県産夏野菜と桃太郎トマトのフェア JA全農おかやま2025年7月18日
-
「田んぼのがっこう」2025年度おむすびレンジャー茨城町会場を開催 いばらきコープとJA全農いばらき2025年7月18日
-
全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞を目指す 大分県推進協議会が総会 JA全農おおいた2025年7月18日
-
新潟市内の小学校と保育園でスイカの食育出前授業 JA新潟かがやきなど2025年7月18日
-
令和7年度「愛情福島」夏秋青果物販売対策会議を開催 JA全農福島2025年7月18日
-
「国産ももフェア」全農直営飲食店舗で18日から開催 JA全農2025年7月18日
-
果樹営農指導担当者情報交換会を開催 三重県園芸振興協会2025年7月18日