JAの活動 ニュース詳細

2014.08.06 
JAの価値再確認 家の光文化賞トップフォーラム一覧へ

一層の教育文化活動を

 家の光協会と家の光文化賞農協懇話会は8月4〜5日、東京・港区のホテル オークラ東京で、「家の光文化賞JAトップフォーラム2014」を開いた。家の光文化賞を受賞したJAをはじめ全国のJA、都道府県中央会の常勤役員など、約430人が参加した。テーマは「地域になくてはならないJAをどうつくるか」。JAセレサ川崎(神奈川県)とJA紀南(和歌山県)の実践報告などをもとに意見交換を行い、一連の農業・農協批判などに対し、JAの価値を再認識するとともに、一層の教育文化活動を強化することの必要性を確認した。

◆農家の幸せ追求

 家の光協会の園田俊宏会長は、開会のあいさつで、「第26回JA全国大会決議の実践に向け、JAの本店、支店において教育文化活動を積極的に展開するため、いかに協同の力を発揮し、人・組織・地域の元気づくりを進めていくのか、相互研究したい」と、フォーラムの意義を述べた。
 「地域になくてはならないJAをどうつくるか」のテーマ設定については石田正昭・三重大学招へい教授が説明。まず政府の農協改革については「組合員の求める自己改革ではなく、協同組合を否定するもの」として、自主的な改革の取り組みの必要性を強調。その際、日本の農協の歴史的使命として「戦後の自作農体制の堅持」を挙げる。このことは農家家族の福祉向上であり。それは「専業的農家、自給的農家、土地持ち非農家のいずれもがその家計経済を保全すること」であり、農協の使命は「農家家族の幸せづくり」にあるという。
 また、JAの事業と活動については、事業の縦糸と、教育文化活動の起点として組合員組織活動の横糸をうまくコントロールすることの必要性を挙げ、これを実践する場が支店だという。従って、支店はJAの事業面では「統合」が求められ、地域でより幅広く展開するため活動面では「分化」が必要なので、「統合と分化、本店との間の集権と分権の全てを極大化するのが支店長の役割だ」と、支店の活動と人材育成の重要性を強調した。

 

◆市民と共に成長

約230のJAが「地域におけるJAの役割」で意見交換 実践報告した神奈川県JAセレサ川崎は、貯金残高約1兆3000億円、販売供給高7億8000万円の都市型JAだが、「地域と共生する都市農業」「地域と共生するJAバンク」を基本理念に、地域や消費者に信頼・支持されるJAをめざし、食農教育を通じた「食」「農」の体験、農業祭りや感謝の集い、災害時におけるJA施設整備など、幅広い活動を展開している。報告した柴原裕組合長は「JA・組合員・地域住民が共に成長していける事業展開『Be Partner〜さらなる連帯と協同』の実現を目めざす」と述べた。

(写真)
約230のJAが「地域におけるJAの役割」で意見交換

 

◆教育は有機肥料

会場とも活発な意見交換がお紺われた またJA紀南は、JAセレサ川崎とは対照的に、広大な管内に多くの過疎地を抱える純農村地帯。全国的に知られる梅「南高梅」の産地だが、人口の減少、農家・農地・農業収入の減少という農業・農村の危機に直面している。その中で、協同組合らしさが失われつつあることを農協としての危機と受け止め、教育文化活動に力を入れている。特に人口減少のなかで、子どもは地域の宝として、「ちゃぐりん」のスポーツ大会や親子フェスタなど、幅広い活動を行っている。
 報告した同JAの中家徹会長は、教育文化活動を「有機肥料」に例える。土づくりと同じで、即効性のある化学肥料に頼るのではなく、有機肥料でじっくり土づくりをすることで、JAの組織基盤が強化され、それがよい木になり、よい実をつけるという。
 また、女性の運営参画に力を入れており、現在総代に占める女性の割合は30.9%。中家会長は、「女性は農業の担い手の60%を占め、JAの事業のなかで女性の感性を取り入れる機会が増えた。女性に見放されたらJAに未来はないと思っている」と、女性の役割の重要性を強調する。

(写真)
会場とも活発な意見交換がお紺われた

 

◆自治の暮らしで

 なお、このほか澁澤寿一・東京農業大学農山村支援センター副代表が特別講演。木質バイオマスの活用で地域エネルギーの自給を目指す岡山県真庭市などの取り組みを紹介し、「食・水・エネルギー・教育・医療・福祉(相互扶助)の自治の暮らし」を提案する。お金というただ一つの共通の価値だけではなく、「生きる実感をどのように体感するかが大事。農業は産業ではなく、生きることを問うことだ」と、農業を位置付ける。
 総合討議では増加する准組合員への対応、人口減少・過疎化への対応などが焦点になった。「准組合員の利用が増え、そこで生じた利潤でJAは営農指導ができる。准組合員は農業の支援者者でもある」(中家会長)、「過疎は農村やJAだけの問題ではない。都市の過疎化も激しい。農業の現場の人と一緒に考えたい」(澁澤氏)などの意見や提案があった。
 2日目は太田原高昭・北海道大学名誉教授が「規制改革会議のJA改革案を問う」で特別講演、ジャーナリストの東谷暁氏が「暮らしを脅かすアメリカの無法と日本の無策〜TPPと世界経済の行方」で記念の講演を行った。


(関連記事)

家の光が総会 25年度発行部数は微減(2014.06.25)

「いつも現場を大事に」萬歳会長が訓話(2014.04.02)

【人事速報】家の光協会(4月1日付)(2014.04.01)

人・組織・地域の元気づくりを 家の光大会(2014.02.26)

戦後の農村読書傾向が一目 家の光協会(2013.06.05)

一覧はこちら

このページの先頭へ

このページの先頭へ