農業の将来を議論 「全国JA販売事業戦略サミット」2015年11月20日
全国JA販売事業戦略サミット幹事会は11月19日、JAビル会議室で「平成27年度全国JA販売事業戦略サミット」を開いた。10県から13JA、JA全中の出席者も含めて41人が参加した。
サミットは農畜産物販売高が高い大規模JAの有志役職員が今後の農業について意見交換を行うことで、日本の農業と食を守る優れた農業協同組合の実現を目指して毎年開かれているもの。これまで「全国JAサミット」の名称で開催してきたが、26回にあたる今回から変更した。
開会の挨拶を、幹事JAのJAいわて花巻高橋専太郎代表理事組合長が行った。
まず初めに反対運動を続けてきたTPPが大筋合意に至った点は大変遺憾であると述べ、「問題が山積し、我が国の農業、農村の方向性が今まさに問われている」と話した。
最後までTPPでアメリカに反対してきたニュージーランドの視察に向かい、自身の感じた農業の捉え方の違いについて語った後、「ニュージーランドは昔農協があったが、今は全国一本化し、国単位で販売、調整しながら輸出している」と伝えた。
意見交換を行う際、特に考えてもらいたいとする3点について次のように述べた。
◇ ◇
○TPP大筋合意を受けて-JAには安全・安心を全国の消費者に届ける大きな使命がある点
○農業高齢化社会-脱農業者や農業高齢者が出ている。新たな地域社会、地域経済をJAはどのように展開できるか。
○米の消費について-米消費は1年間で8万tほど減ってきており、今年の消費量は770万tを切る勢い。需要構造が変化している中で、農産物の回復が期待できない。TPPを含めたグローバル化の時代、輸出戦略をどう考えていくか。
◇ ◇
さらに高橋組合長は、輸出戦略の例として中国に精米工場を持ち、日本の米を大消費地で広められるのではと話した。また各県本部に輸出を任せるのでなく、全農がリーダーシップをとって全国レベルで行うべきではないかとも述べた。
サミットではこの他、JA全中参事の馬場利彦氏によるTPPをめぐる情勢報告や、役員テーマ「農協改革と自己改革による新たな販売事業戦略の方向性」、職員テーマ「各JAにおける販売事業戦略の取組み及び課題」の分科会が行われた。
(写真)サミットで挨拶を行う高橋代表理事組合長
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