「総合農協」解体の危機意識を-JA組織基盤強化フォーラム2016年9月22日
JA全中は9月20日、横浜市内で平成28年度JA組織基盤強化フォーラムを開いた。多様化する正・准組合員といかに向き合うかをテーマに学識者の提言、先進JAの組合員対策などをもとに議論した。
JA全中の加賀尚彦常務は情勢報告のなかで、政府は改正農協法をもとにJAに対して▽担い手農業者からみて経済活動を積極的に行う組織になること、▽准組合員へのサービスや農村地域貢献は主眼ではないことを求めていると改めて強調した。そのうえでJA自己改革や准組合員の利用実態調査結果によっては5年後に准組合員規制が導入されるおそれがあるという「総合農協の解体危機にあると認識する必要がある」と参加者に訴えた。
そのため組合員や外部から高い評価を得る自己改革の実践と成果を上げる必要があるとして、組合員アンケートに基づく多様なニーズの把握や事業・活動の連携による組合員総合対策などに取り組み組織基盤の強化を図る必要性があると強調した。
組合員アンケートは今年10月からJA段階でスタートする。この日はモデルとしえ先行してアンケートを実施したJAひまわり(愛知)とJAグリーン近江(滋賀)の集計結果が紹介された。
准組合員に対する調査では「実家が農家」と「農家だが今は農業をしていない」という農家にルーツを持つ人の割合がJAひまわりでは36%、JAグリーン近江では50%だった。
また准組合員が現在どう農業と関わりがあるかについては「家庭菜園程度で農産物の販売はしていない」がJAひまわりで34.7%、JAグリーン近江では54.3%と半数以上を占めた。JAグリーン近江では集落営農の組織化にともなって正組合員から准組合員になる人も多く、農村集落に暮らし農業に関わりを持つ姿が浮かび上がるなど、組合員調査の必要性が示された。
また、アンケートでは担い手がJAに期待する活動は、農業所得向上のためのビジネス講座や有志が集まって技術開発を行うための資金援助などであることも示された。
そのほか、准組合員も含めJAの支店協同活動などに参加する人ほど事業利用率も高いなど、「JAの活動と事業はつながっている」(JC総研・西井賢悟主任研究員)ことも示されるなど、各JAの組合員アンケートへの取り組みが組合員に支持されるJAづくりに不可欠なことも示された。
問題提起を行ったのは増田佳昭滋賀県立大学教授。「農協改革」はJA解体の一里塚であるとして「政府の農協改革に対抗しながら、組合員、地域に信頼され必要とされるJAのためのJA改革に本気になって取り組むべきだ」などと強調した。その後、パネルディスカッションを行った。同フォーラムは9月29日は兵庫県でも開催される。
(写真)パネルディスカッションでは組合員とJAとの接点をどうつくるかなどを議論した。(新横浜プリンスホテル)
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