創立90周年 決意新たに 伝統引き継ぎ人材育成 日本農業実践学園2017年10月16日
茨城県水戸市にある日本農業実践学園は創立90周年を迎え、10月14日記念の式典を行なった。日本国民高等学校以来の卒業生や茨城県、JAなどの関係者約200人が出席。創立90年を祝うと共に、これからの日本の農業のモデルとなるべき経営の確立と農業・農村の人材の育成に決意を新たにした。
日本農業実践学園は昭和2(1927)年、日本国民高等学校として開校。初代校長は農本主義をとなえた加藤完治で、戦前・戦中は満蒙開拓の青少年義勇軍中央訓練所にもなったが、戦後、新制高等学校設置に伴い日本高等国民学校に改め、さらに昭和55年日本農業実践大学校、平成3年現在の日本農業実践学園に改めた。
(写真)卒業生ら200人が90年の歴史を振り返った式典
60haの敷地に45haの農場を有し、全寮制で実践教育を通じて農業経営者として知識や技能、理論を学ぶ。創立以来の卒業生は7000人余りに達し、全国の農業の現場で、それぞれの地域の農業のリーダーとしての役割を果たしている。
記念式典では、学園を運営する公益法人・日本国民高等学校協会の加藤達夫理事長が「農業経営を成り立たせる生きた事例を示す場にするべくチャレンジする」と、学園の将来方向を示した。来賓の大井川和彦・茨城県知事は、「これからの農業は人材育成が重要。実践学園は第一線で活躍する経営者を育ててきた。大規模経営の全国モデルとして期待する」と激励した。
式典では、白石正彦・東京農大名誉教授の司会で、天皇杯を受賞した3人の卒業生による記念シンポジウムを行なった。栃木県那須町で200頭の酪農を営む今耕一さん(昭和42年卒)は、「いま生産現場を知らない子どもが多い。視察者やインターンシップ参加者などに生産現場を知ってもらうことが必要」と言う。
茨城県桜川市で85ha麦・ダイズ・米をつくる長島義夫さん(昭和48年卒)は、「広大な農場での体験が将来の夢を持たせてくれた。実践を通じた農業人の育成が大事だ」と、学園での人材育成に期待を述べた。
また、加藤完治と満州(中国東北部)にわたった父の勧めで入学したという茨城県常総市で250頭の肉用牛を飼育する佐藤宏弥さん(昭和47年卒)は、「加藤完治先生の教えは、この年になると感じるところがある。ゼロから初めてここまでできたのは、学園で学んだ、負けないぞという精神力だ」と振り返る。
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