和牛甲子園 最優秀賞に飛騨高山高校-JA全農2018年1月22日
JA全農は1月18、19日の2日間にわたって第1回和牛甲子園を東京食肉市場(東京・港区)で開いた。全国の農業高校などで和牛を育てている高校生と彼らが飼育した和牛を集めて、日頃の取り組みと肉質を競い合い、第1回和牛甲子園最優秀賞に岐阜県立飛騨高山高校が輝いた。
大会には8県から15校が参加し21頭が出品された。審査は出品枝肉の肉質評価と日頃の取り組み内容の体験発表を合わせて行われ、総合評価で優勝校を決めた。
最優秀賞に輝いた岐阜県立飛騨高山高校が出品したのは31か月齢の雌牛。血統は父「白清85の3」、母の父「光平福」、母の祖父「安福」で出荷体重は645kg、枝肉重量は450kgだった。格付けはA5等級で競りの結果、1kg3505円の高値がついた。肉質審査は優秀賞だったが総合評価で最優秀に。同校は授業の一環として肥育に取り組んでいる。出品した雌牛を育てた同校3年の加藤大地さんは「牛の体調や血液検査の結果などを見て、すばやく対応することを心がけてきました」と細かな観察を大切にしてきたと話した。ともに育ててきた同3年の林実佐子さんは「力を合わせて2年半育ててきた牛が好成績を残したことはうれしい。出品したことで課題も分かりました」と喜びを話した。
第1回和牛甲子園最優秀賞に輝いた岐阜県立飛騨高山高校のみなさん。
(左から)加藤大地さん、林実佐子さん、安藤都先生。
指導した安藤都教諭によると生徒たちは獣医はもちろん、地域の農家にも相談しながら育ててきたといい、2人とも土日に農家に研修に出向くこともあるという。
卒業後は2人とも農業系の大学、大学校に進学し、将来は畜産関係の仕事に就くのが志望。大会ではワークショップや他校との交流の機会もあり2人とも「刺激を受けたし、勉強になりました」と話した。なお、肉質審査の最優秀賞は鹿児島県立鹿屋農業高校が受賞した。
農業高校は全国で306校あり、そのなかでも畜産学科がある34校を中心に授業やクラブ活動で高校生が和牛を飼育している。大会は将来の担い手である「高校牛児」たちが集まって、情報交換と同世代の交流の場として技術と生産意欲を高めてもらうことを目的に開催した。
そのほか、肉質審査の結果は以下のとおり。
【優秀賞】
▽岩手県立水沢農業高校
▽岐阜県立加茂農林高校
【優良賞】
▽栃木県立矢板高校
▽島根県立出雲農林高校
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