【第60回全国家の光大会】体験発表最優秀賞は飯國恵美子さん(JAしまね)、山本結貴さん(JA下関)2018年2月19日
一般社団法人家の光協会は2月15日、横浜市のパシフィコ横浜の国立大ホールで第60回記念全国家の光大会を開いた。「人・組織・地域をつなぎ ともに創ろう豊かな未来」のスローガンのもとに、全国からJA女性組織のメンバーやJAの役職員など約2500人が一堂に会し、「家の光文化賞」や「家の光文化賞促進賞」表彰、記事活用、普及・文化活動の体験発表などを行い、(1)組合員の「アクティブ・メンバーシップ」の確立、(2)食・農・協同組合への理解促進を図り、地域とともに歩むJAをめざす、(3)記事活用・文化活動を通じて、人・組織・地域をつなぎ、協同の輪を広げる-の確実な実践を申し合わせた。
大会では、主催者の家の光協会・若林龍司代表理事会長が、家の光が提唱して展開している、組合員の"幸せづくり"を支える「ハッピーマイライフ」運動などの取り組みを紹介。その上で、「普及文化活動を通じて、組合員のアクティブ・メンバーシップを確立しよう」と呼びかけた。また来賓で出席したJA全中の中家徹会長は、現在、全国のJAで取り組んでいるJA自己改革を確実に実行し、結集力を高めるため、「全役職員が危機意識を持ち、組合員や地域のみなさんに情報発信し、理解を強めよう」と呼びかけた。また、神奈川県農協中央会の長嶋喜満会長が地元県として歓迎のあいさつを述べた。
(写真)2500人が参加した第60回記念全国家の光大会
今回で68回目となる家の光文化賞は、宮城県の加美よつば農協(三浦靜也組合長)、神奈川県のさがみ農協(大川良一組合長)、熊本県の菊池地域農協(三角修組合長)の3JAが受賞した。この賞は昭和24年に制定されたもので、教育文化活動の取り組みが総意工夫に富み、家の光事業をJAの事業・活動の中に明確に位置付けて成果をあげているJAを対象とする。これまで278組合が受賞した。
なお、家の光文化賞受賞JAには、「ブラジル・コチア産業組合中央会記念賞」が贈られた。この賞はブラジルのコチア産業組合の組合員と職員の有志が、農村文化と農協運動発展のために使ってほしいと募金を集め、家の光協会に使途を託したもの。いずれも組合長やJA女性部長らが登壇し、若林会長から表彰を受けた。
(写真)若林龍司・家の光協会会長
また家の光文化賞促進賞は、家の光文化賞にチャレンジするJAの育成を目的に設けた賞で、今年度は宮城県みやぎ仙南農協(浅野清組合長)、三重県の松阪農協(西原久雄組合長)、大阪府の大阪中河内農協(西川喜清組合長)、大分県のべっぷ日出農協(佐藤隆博組合長)の4JAが受賞した。
そのほか、JA普及実績表彰では、『家の光』『地上』『ちゃぐりん』『やさい畑』「家の光図書」の普及活用運動に顕著な実績をあげた33JAが表彰された。
(写真)中家徹・JA全中会長
大会のメインである体験発表では、東・中・西日本地区体験発表大会で選ばれた記事活用の部の6人と、普及・文化活動の部の3人が発表した。記事活用の部が、JA愛媛たいき(愛媛県)の大程幸子さん、JAしまね(島根県)の飯國恵美子さん、JAかとり(千葉県)の椿千春さん、JA紀の里(和歌山県)の脇田保美さん、JA夢みなみ(福島県)の横川千明さん、JAひがしみの(岐阜県)の木下みつ子さんの6人。普及・文化活動の部がJA下関(山口県)の山本結貴さん、JAいわて中央(岩手県)の菅原さとみさん、JA尾道市(広島県)の三阪由美子さんの3人。なお9人の発表者にはそれぞれ家の光協会会長特別賞が贈られた。記事活用の部の発表者の多くが専業農家の女性で、農作業に忙しいなかで、『家の光』の「やさしいハンドメイド」などを参考に、数人の記事活用グループからスタートし、仲間を増やした活動を報告した。
(写真)体験発表に拍手する参加者
【記事活用の部】
志村源太郎記念賞飯國恵美子さん(島根県JAしまね)
記事活用の部で志村源太郎記念賞に輝いたJAしまねの飯國恵美子さんは、「えんまん座」というミニ"劇団"を結成。神話の国、出雲らしいテーマの演劇が好評で、結成して5年、100会場あまりの公演をこなしたという。「衣装などの小道具はすべて手づくりで、その団結力と、地域の人と一緒に楽しむ活動に圧倒された」と、審査委員長の村田武・九州大学名誉教授は評価する。
【普及・文化活動の部】 全国農業協同組合中央会会長賞
山本結貴さん(山口県JA下関)
普及・文化活動の部では、山口県JA下関の山本結貴さんが全国農業協同組合中央会会長賞を得た。
生活指導員として、『家の光』普及のため、誌面のことが一目で分かるチラシを作るなど、「創意工夫によって、3か年計画を立て、『家の光』の読みどころを"見える化"して読者を増やしたところが評価された」(村田武審査委員長)。
また岐阜県大垣市立静里小学校5年(JAにしみの管内)の松川倖大くんが『ちゃぐりん』愛読者として特別発表し、大きな拍手を浴びた。
大会では「感謝の集い」として、横浜相撲甚句会が、全国家の光大会が60回目を迎えたことを記念して、家の光協会の役割などを織り込んだオリジナルの相撲甚句を披露し、会場の拍手を浴びた。また、元大相撲力士、舞の海秀平氏の講演があった。同氏は、高校教師の内定が決まっていたにもかかわらず、また新弟子検査基準の身長に足りないというハンディを乗り越えて、自分のやりたい相撲を選んだ経過を話し、初志貫徹の大切さを強調した。最後に、大会出席者全員で、申し合わせ内容を確認。家の光協会の中出篤伸副会長理事のあいさつで締めくくり、来年も同じ横浜での再会を期して閉会した。
【大会申し合わせ】
わたしたちは、第60回記念全国家の光大会で学びあったことを、明日からのJA教育文化活動に活かし、人・組織・地域の幸せづくりをすすめるため次のことを申し合わせます。
一、協同することのたいせつさを学び、農協運動に参加・参画する仲間を増やし、組合員の「アクティブ・メンバーシップ」の確立をめざします。
一、支店協同活動をはじめとする、JAが取り組むさまざまな活動をとおして、「食」「農」「協同組合」への理解促進をはかり、地域とともに歩むJAをめざします。
一、『家の光』『地上』『ちゃぐりん』『やさい畑』「家の光図書」の普及活用運動をすすめ、記事活用・文化活動を通じて、人・組織・地域をつなぎ、協同の輪を広げます。
以上、実践することを申し合わせます。
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