JA女性役員一堂に 実り多き研修会 JA女性役員等研修会2023年9月4日
JA全国女性組織協議会とJA全中は8月30日と31日、全国のJA女性役員などを対象に研修会を東京都内で開いた。これまで地域単位で行ってきたが、一層の女性参画拡大と組織の多様化をめざし、11年ぶりに全国大会を開催した。初日は昭和女子大学の板東眞理子総長の特別講演など座学を中心に進めた。2日目は、JA熊本うき、JAいずみのでの事例の紹介や、参加者が気軽に意見交換ができる形式のワークショップが中心となった。ここでは2日目の研修会の様子をレポートする。
議論に興じる参加者たち
JA全中・藤間則和常務理事は2日目の開会のあいさつで、出身地秦野市の名産「桜の塩漬け」の製造工程である、花もぎ作業の思い出を引き合いに「作業に携わる女性たちの思いやりや包容力が人や地域を育み、多くを学んだ」と女性への期待をのぞかせた。
事例の発表は、JA熊本うきの太田桂子理事とJAいずみのの山田久美常務が務めた。
JA熊本うきの太田理事は、地元のJA女性部長を10年、農業委員を4期連続で務める経験を元に、女性の農業委員を増やす活動などを紹介した。「男性中心の意識が根強く、及び腰になる女性もいる。性別にとらわれず、改革する意識を強くもってほしい」と述べ、これらの活動にまい進するためには、農業を共に営む夫の支援なくしては実現しなかったことにも触れ、参加者の共感を得ていた。
JAいずみのの山田常務は、女性初となる金融共済部長や総務部長などを歴任し、現在は常勤理事として組織を牽引する存在。女性参画の取り組みには、目標設定は必要だが、登用の「数値目標」のみではなく、女性自身の成長意欲と、男性の意識改革も欠かせないと話す。女性職員が成長できる環境を整え、性別にとらわれず「人」として職員を育成することが、役員である自分の役目だと話した。
この後行われたワークショップ「ワールドカフェ」は、全員参加で意見交換する試み。カフェのようなリラックスした雰囲気の中で行われる会議のことで、会話を楽しむように行われた気軽な意見交換から、有益なアイデアが生み出されることを期待したものだ。
ここでは「『地域を未来につなぐ』ためにJAに期待される役割はなにか」、「その役割を実現するために何をすればいいか」という議題について、3~5人のグループに分かれて意見を出し合いながら議論した。途中に行われるグループ間のメンバー交換が、一層の意見交換と情報共有につながり、身を乗り出して議論に興じる参加者や、笑い声が絶えないグループがみられるなど、BGMがかき消されるほど白熱した議論の場となっていた。
ここでの議論の結果を受け、「役員としてなにをしたらいいか」について、自らの決意を書き出し、参加者同士で交換しあうことで共通認識にして研修会は終了した。
参加者からは「繁忙期で参加を迷ったが、学ぶことが多く、成長できた」、「全国から集まった人から貴重な意見が聞けた。これを持ち帰って還元するのが私の役割」などの声がきかれた。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2025年7月8日
-
なぜ米がないのか? なぜ誰も怒らないのか? 令和の米騒動を考える2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【立憲民主党】「食農支払」で農地と農業者を守る 野田佳彦代表2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【自由民主党】別枠予算で農業を成長産業に 宮下一郎総合農林政策調査会長2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【日本共産党】価格保障・所得補償で家族農業守る 田村貴昭衆議院議員2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【れいわ新選組】農業予算倍増で所得補償・備蓄増を やはた愛議員2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】集落と農地 地域の要 営農事業部門・広島市農協組合長、広島県農協中央会会長 吉川清二氏2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】若者を育てる農協に 営農事業部門・北海道農協中央会前会長、常呂町農協前会長 小野寺俊幸氏2025年7月8日
-
トランプ政権の移民摘発 収穫できず腐る野菜「農家に大きな打撃」2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】常に農協、農家のため 営農事業部門・全農鳥取県本部上席主管 尾崎博章氏2025年7月8日
-
150年間受渡し不履行がなかった堂島米市場【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月8日
-
2025参院選・各党の農政公約まとめ2025年7月8日
-
米価 6週連続低下 3600円台に2025年7月8日
-
【JA人事】JA北九(福岡県) 新組合長に織田孝文氏(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAかながわ西湘(神奈川県)天野信一組合長を再任(6月26日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAえひめ中央(愛媛県)新理事長に武市佳久氏(6月24日)2025年7月8日
-
岡山の農業を楽しく学ぶ 夏休み特別企画「食の学校2025」 JA全農おかやま2025年7月8日
-
農業高校生研修を開催 秋田北鷹高等学校、増田高等学校の生徒が参加 JA全農あきた2025年7月8日
-
「にいがたフルーツプレゼントキャンペーン」 クイズ正解者5人に「新潟県産もも5kg」 にいがた園芸農産物宣伝会2025年7月8日
-
JAたまな管内でハウスミカン「レギュラー」出荷始まる2025年7月8日