鉄は熱いうちに 600人がJAを学ぶ JA全国機関新規採用職員研修会2024年4月2日
JA全中は4月1日、東京都文京区の文京シビックホールでJA全国機関新規採用職員研修会を開いた。13団体から約600人が参加し、JAとJAグループについて学び、理解を深めた。JA全中の山野徹会長が訓辞を述べ、全国農協青年組織協議会(JA全青協)の稲村政崇会長が講演で新規採用職員にエールを送った。
600人の新規採用職員が参加
研修会に先立ち、JAグループのサポーターを務める林修氏がビデオメッセージで「職場や地域の仲間とともに、豊かな食と農を生み出すため大きな力を発揮してほしい」と期待のエールを送った。
食と農に夢を
新規採用職員に訓示を述べる山野JA全中会長
JA全中の山野会長はICA(国際協同組合同盟)が、2012年に引き続き来年2025年を国際協同組合年(ICY)に定めたことを紹介し、世界的に協同組合の価値が見直されていることを強調。その上で「協同組合は、株式会社と違い、出資者が利用者という強みがある。まだまだ力を発揮できる」と、励ました。
また、仕事に取り組む姿勢として「まだか」でなく「もへ」に心掛けるようにとアドバイス。「もへ」は、「すでに」、「もはや」を意味する鹿児島弁で、「仕事は先延ばしせず、すぐ片付けるクセをつけるように」と話した。
さらに「守るべきもの」と「変えるべきもの」を見極める大切さ、内向きになりがちなJAの職場を踏まえ「情報が偏ることのないように。友人は職員だけでなく、外に広く求めるように。そのためには常に自分を磨き、自分の魅力を高めるよう努めるように」と話した。
最後に新規採用職員に対して「夢」を持つことを促した。「夢を持つ人には希望がある。JA職員は、食と農に夢を持ち、夢を語れる人になってほしい」と呼びかけた。
農家の羅針盤に
新規採用職員への期待を述べる稲村JA全青協会長
JA全青協の稲村会長は若手農業者を代表して「JA全国連職員に望むこと」で話した。同会長は大学卒業後9年間保険会社に勤めて就農。北海道で水稲(15 ha)、花(2ha)、それに薬草を栽培する。
30代で就農して改めて気づいたこととして、①農家は生産に対して真面目②コミュニケーションが大切③視野が狭い――の三つを挙げる。一般に農業はおおざっぱにみられるが、「いいものをつくるため神経を使い、一生懸命だと分かった」という。
また、「思ったより生産者同士の情報交換やJA、関連機関などとのやり取りが頻繁」ということが分かった。しかし同時に農業は地域に根ざした仕事のため視野が狭くなる傾向があると指摘。「農業を取り巻く環境はより厳しい時代に突入し、より広い視野が必要になっている」と述べた。
その上で「第1ステップとして農業者が自ら学ぶこと。しかし限界があるので、第2ステップで全国連と協力しながら成長する。全国連の職員はそのための羅針盤になってほしい」と話した。
JA綱領を唱和する新規採用職員
このほか説明会では、一般社団法人・日本協同組合連携機構(JCA)協同組合連携1部の横溝大介部長が「SDGsと協同組合の未来」についての講演、JA全中による「JA綱領」の講義、全国連組織の紹介などがあった。
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