当期剰余金相当額 27.5億円増 JA全国共済会2024年6月10日
JA職員などの退職金原資の積立て事業を行っている(一財)全国農林漁業団体共済会(JA全国共済会)は6月6日に開いた2024年度第1回理事会で2023年度決算を承認した。
JAの事業利益に相当する「評価損益等調整前当期経常増減額」は、社債への投資強化で債券利息が増加した一方、年金保険配当金が大幅に減少した影響で前年度同期比5.4億円減の▲6.7減となった。
JAの当期剰余金に相当する「当期一般正味財産増減額」は、証券投資信託の評価益が内外株式市場が堅調に推移したことで同27.5億円増の16億円となった。これによって24年3月末時点の「正味財産」は519.5億円となった。
23年度予算では、上記のいずれも正味財産の一部を給付還元に充てるためマイナスを計画していたが、決算では資金運用収益の上振れなどで「評価損益等調整前当期経常増減額」は計画▲16.8億円に対して▲6.7億円と10億円増、「当期一般正味財産増減額」は計画▲31.8億円に対して+16億円と47.7億円の大幅な増加となった。
財務諸表に反映されない「満期保有目的債券」の評価損は▲72.5億円と拡大したが、これは市場金利の上昇による債券の値下がりによるもので、債券自体の信用劣化によって評価損が拡大したものはないという。
2024年度以降の給付財源となる給付還元安定財源は167.6億円となった。これは5か年平準型給付還元方式に基づき算定した安定準備金額133.5億円を上回る水準となった。
23年度の事業計画では「制度」の拡大目標口数160万口としたが、実績は174万口となった。また、総合JA管理設計利用率の目標90%に対する実績は93.1%となり、いずれも目標を達成した。
総資産額は4921億円(前年度4975億円)でJAの退職給付債務額の約51%に相当する。JAの加入率は94.6%(同94.8%)で「制度」と「施設」とも100%加入県は30都府県となっている。
23年度の新規加入者は5451人(同5802人)でJAの職員数の減少の影響で減っている。
掛金収入は268億円(同275億円)、退職者数は9895人(同1万425人)、退職給付金支給額は363億円(同396億円)となった。
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