シロアリ防除剤「メタミサルト」、蛍光性能で薬剤の存在を可視化 最速で業界トップシェア目指す ZMクロッププロテクション2025年3月12日
JA全農が所有するシロアリ防除成分「メタミサルト」(ZMCPの登録商標、一般名は「ジクロロメゾチアズ」)は効果が高く安全性も高いことで知られる。加えて、新たに紫外線(ブラックライト)を照射することで蛍光を発することが発見され、昨年10月4日に蛍光能の用法特許が出願された。JA組合員の大切な資産としての住宅を守る「目で見えるシロアリ防除成分」として普及・定番化を進めている、ZMクロッププロテクション(ZMCP)開発本部開発・普及部の服部徹防蟻剤マネージャーに聞いた。
ZMクロッププロテクション開発本部開発・普及部 服部徹防蟻剤マネージャー
当社はJA全農と三菱商事の合弁農薬メーカーで、JA全農から国内外の農薬の原体の開発許諾をいただき、国内の農業用はJA全農、シロアリ防除剤も含めて非農耕地用は当社が取り扱っています。シロアリ防除剤は一般的に毒性が強い方が効果も高いのですが、「メタミサルト」は安全性が高いにもかかわらず防除効果も高い、これまでにない薬剤です。住化エンバイロメンタルサイエンス(SES)に紫外線を当てると発光する特性を発見して頂き、昨年10月に共同で蛍光能の用法特許を出願しました。来年4月に公開され、審査請求すれば1年ほどで特許化できる見通しです。
「メタミサルト」のシロアリ防除剤としては非忌避性に加えて極めて遅効性で、薬剤に触れたシロアリから触れていないシロアリへの高い伝播効果があります。また、高い土壌吸着性能と難水溶性により薬剤流亡を阻止する環境安全性能の高さと、登録されているシロアリ剤のなかでは最高レベルのADI(1日摂取許容量)を示す人畜安全性の高さといった特性があります。
「メタミサルト」希釈液散布床下の蛍光
発見された蛍光性能は、紫外線のエネルギーに対して黄色い光を発します。他社製品と比較すると、暗所でブラックライトを照射するとメタミサルト(希釈液)のみが非常に明るい光を発することが分かりました。土壌散布でもコンクリート表面でも同様です。これまで軒下散布では薬剤の存在が目視では確認できず、軒下に入って表面を払い取り、機器分析するしか確認できず手間暇がかかりました。紫外線照射による目視で確認できれば、簡単にJA組合員様をはじめとするみなさまのご自宅で、ご安心いただけるものと思います。
「メタミサルト」希釈液散布コンクリート表面の蛍光
実はJA全農及びJAグループのシロアリ防除工事の取り扱いは全国でトップであり、安全性が高い本剤は防除請負業者のみなさんにも自信をもってお勧めできます。防除費用を含む市場規模は約300億円ほどで、「メタミサルト」は販売開始から3年で薬剤費として10%のシェアに達しました。優れた性能で最速でトップとなるべく30%以上のシェアを目指します。
近年は外来種のアメリカカンザイシロアリが広がり、天井裏などに生息して地中より駆除が難しくなってきました。「メタミサルト」はこうした外来種に対しても十分な効果を確認しています。
薬剤の安全性は、居住者だけでなく、同居するペットにとっても大切なポイントです。また工事の請負業者のみなさんにとっても、安全に作業を行っていただけます。人手不足が顕在化しつつある建築業界では、建築方法も変化しています。建築方法の変化に合わせて、例えば床下に入らなくとも駆除ができる外周への注入のような工法ではより安全性が求められます。今後も効果的で安全な薬剤の開発と使用方法の研究に力を入れていきます。
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