JAの活動:新世紀JA研究会 課題別セミナー
【覚醒】准組合員問題 まずJAの将来展望を2018年11月14日
准組合員問題は、自民党インナー政治を頼りにした農協解体反対運動の中で、中央会制度の廃止と引き換えにされたほどのJAにとって最重要課題である。准組合員問題は、事業利用規制などの課題が5年間の猶予期間をもって先延ばしされた。
そもそも、准組合員の事業利用規制と中央会制度の廃止は天秤にかけられる性質のものではないが、政府・自民党による巧みな誘導で、JAは二者択一を選択する立場に追い込まれた。
その際、JAグループの判断は、准組合員への事業利用規制はJA運営に深刻な影響を及ぼすことから、「中央会」という制度よりは優先されたとのではないかと推測されている。制度より事業が大事だという訳だ。
このような経過を踏まえて、JAグループには、いま次の二つの対処方向の選択が迫られることになっている。一つは、准組合員は制度として与えられているものであり、われわれは農協法に則って准組合員の加入を進めてきたのであり、何も間違ったことをやってはいない。悪いのはアベノミクスであり、われわれがとってきたこれまでの方針は正しいとする立場だ。これは言わば「従来路線」と呼ばれるものだ。
もう一つの方向は、准組合員の問題は、総体としてJAの准組合員数が正組合員数を上回るという状況の中で、JAはそもそもどのような組織であるかが問われている問題であり、こうした認識の下で対策を講ずべきであるという立場だ。これは言わば「改革路線」といってよい。
准組合員問題については、JAグループにとって、実はこのような二つの方向の選択を迫られているものであり、それは准組合員の個別対策では解決が難しく、JA組織の将来展望をどう描くのか、将来ビジョンの構想・策定と不可分なものと認識すべき課題なのである。
しかしながら、准組合員対策について、こうした問題提起は一切行われず、准組合員の個別対策の提起に止まっているため、JAグループ全体が混迷状態に陥っているのが現実の姿だ。
それはさておき、こうした認識のもとに、二つの方向についてJAグループが取るべき道を考えて見たいが、結論から言えば、前記の従来路線踏襲では将来方向を切り拓いていくことは不可能である。
従来路線の典型はJA全中であるが、2018年9月、全中は准組合員対策について、准組合員のJAへの意思反映や運営参画促進に向けた具体策をまとめた。年度内に各JAで要領を策定し、仕組みを整備したうえで来年度から実施する。
対象者の選定や具体的な手法など検討のポイントを示し、准組合員モニターや准組合員総代制度などの例を参考に、JAごとに取り組みを進めるという。
この具体策のポイントは、肝心な准組合員対策に対する方向性・位置づけが全中として明らかにされていないことであり、それはJAごとの実態に合わせてJA自身が考えるとしていることである。
このように准組合員の位置づけを丸投げされたJAは、この具体策をみて、准組合員対策をどのように進めて行けばいいのか戸惑うばかりであろう。全中の考えは、准組合員対策について従来路線を踏襲しつつ、今後の位置づけをJAに任そうとするものでこれでは対策にならない。
准組合員対策についての従来路線とは、制度としての准組合員を認めよということであり、従来通り、主に信用・共済事業推進のために准組合員の加入を進めることになる。こうした方向は、准組合員制度の矛盾をますます拡大していくものでしかなく、国民の理解を得ることはできない。とすれば、今後の准組合員対策の基本は、准組合員を農業振興の同志と位置付けて行くしか方向はない。
全中は、農業振興について農業者・農家だけではその達成が難しく、正・准組合員が一体となって取り組むことで初めて可能なことを将来ビジョンとして明確にして准組合員対策を進めて行くべきだ。
※このページ「紙上セミナー」は新世紀JA研究会の責任で編集しています。
新世紀JA研究会のこれまでの活動をテーマごとにまとめています。ぜひご覧下さい。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(157)-改正食料・農業・農村基本法(43)-2025年8月30日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(74)【防除学習帖】第313回2025年8月30日
-
農薬の正しい使い方(47)【今さら聞けない営農情報】第313回2025年8月30日
-
【現地ルポ JA兵庫南・稲美CE】集荷推進 安定供給の要に おいしく、安全管理心掛け(1)2025年8月29日
-
【現地ルポ JA兵庫南・稲美CE】集荷推進 安定供給の要に おいしく、安全管理心掛け(2)2025年8月29日
-
計画荷受けと適正人員配置を 全国農協カントリーエレベーター協議会 大林茂松会長2025年8月29日
-
【注意報】シロイチモジヨトウ 県内全域で多発に注意 石川県2025年8月29日
-
【注意報】ピーマンに斑点病 県内全域で多発のおそれ 大分県2025年8月29日
-
【注意報】ハスモンヨトウの誘殺数が急増 早期防除の徹底を 福島県2025年8月29日
-
【注意報】ハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 長野県2025年8月29日
-
【注意報】シロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 栃木県2025年8月29日
-
米価下落時 備蓄米買い入れ 機動的に JA全中が要請2025年8月29日
-
概算金なぜ上がる 7月末に状況一変 不透明感、農水省にも問題2025年8月29日
-
米流通対策官を設置 来年度要求 農水省2025年8月29日
-
(450)冷蔵庫の先にある発電所【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年8月29日
-
シャリシャリ食感とあふれ出す甘さ 鳥取県産梨「新甘泉フェア」29日から JA全農2025年8月29日
-
JA全農Aコープ 短期出店支援プラットフォーム「ショップカウンター」導入2025年8月29日
-
資材店舗ディスプレイコンテスト開催 最優秀賞はJA阿蘇小国郷中央支所 JA熊本経済連2025年8月29日
-
毎月29日は「肉の日限定セール」おかやま和牛肉など約230商品が特別価格 JAタウン2025年8月29日
-
最新食品研究成果を一挙に「農研機構 食品研究成果展示会2025」開催2025年8月29日