JAの活動:今村奈良臣のいまJAに望むこと
【今村奈良臣のいまJAに望むこと】第79回 JA-IT研究会第50回記念公開 研究会の紹介と講話ならびに討議2019年3月2日
記念講演 Ⅱ
「フードチェーンはヒューマンチェーン」―生協の取り組みより―
日本生活協同組合連合会副会長 新井 ちとせ
1.新井ちとせ氏の自己紹介と活動の指針
新井氏は次のような目標を掲げて日本生活協同組合連合会を指導、運営されていると、まず話された。
2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)の目標は「つくる責任・つかう責任」です。「つくる責任」を担う生産者と、商品を利用する「つかう責任」を担う消費者、さらに生協やJA自らもその輪(フードチェーン)に加わることで、お互いのコミュニケーションと信頼関係の橋渡しとなり、持続可能な生産と消費の確保につながると考えています。顔の見える関係を大切に...。この精神というか一心で私は生協連の活動を推進してきましたし、これからも続けていくつもりです。そういう意味でJA-IT研究会が50回もの研鑽を積み重ねてこられ、また更なる飛躍をされようとしていることに、心から敬意を表しつつ、50回大会へのエールを送りたいと思います。
2.コープみらいについて
そこでコープみらいの概要と特質を紹介させていただきます。その内容は次の通りである。
コープみらいについて
設立:2013年3月21日(さいたまコープ、コープとうきょう、ちばコープが組織合同)
本部:埼玉県さいたま市
組合員数:341万3755人
総事業高:3898億1117万円
事業所数:店舗 134、宅配センター 76、介護福祉事業所 34
職員数:正規 3170人、パート・アルバイト 1万718人
(数値は2018年3月20日現在)
3.コープみらいの理念・ビジョン
コープみらいの理念とビジョンは次の通りであると述べられた(次図参照)
(上の画像をクリックするとPDFファイルが開きます)
コープみらいの理念・ビジョン
理念
ともに はぐくむ くらしと未来
私たちは、一人ひとりが手をとりあって、一つひとつのくらしの願いを実現します。
私たちは、ものと心の豊かさが調和し、安心してくらせるまちづくりに貢献します。
私たちは人と自然が共生する社会と平和な未来を追求します。
ビジョン
食卓を笑顔に、地域を豊かに、
誰からも頼られる生協へ。
4.コープみらい産直の基本は"人と人とのつながりを大切にしたい"というところにおかれており、その基本は次の5本の柱にある、と述べられた。
◎コープの産直とは..."人と人とのつながりをたいせつにしたい"
◇産直の5つの基本
1.生産地、生産者、生産、流通方法が明確であること
2.記録、点検、検査による検証システムがあること
3.持続可能な生産と、環境に配慮した事業を推進すること
4.生産地、生産者団体との自立、対等を基礎としたパートナーシップを確立すること
5.組合員と生産者との多面的な交流を推進すること
◎お米育ち豚10周年...日本の米づくりをささえる、お米育ちの産直豚(DVD)
◎JAと"ともに"そして期待をこめて
◇協同組合は「たすけあいの組織」です。
さらに具体的実践の1つとして「お米育ち豚」の生産・流通を促進してこられ、10周年を迎えたとのことであった。米育ち豚は米過剰問題の中で、米づくりを支えるために推進しており、産直豚として大きな成果をあげてきているとの紹介もあった。
そして、JAとともに歩く組織として今後も活動を進めると強調されていた。
5.なお、参考のために、さきに紹介した「コープSDGs行動宣言」をここに全文掲載しておく。
本シリーズの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
今村奈良臣・東京大学名誉教授の【今村奈良臣のいまJAに望むこと】
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