JAの活動:今さら聞けない営農情報
【今さら聞けない営農情報】第25回 土壌の改良(9)ケイ酸2019年11月1日
前回までに、土壌改良の基礎として「pH」「EC」「CEC」「塩基類」「リン酸」「窒素」「腐植」「鉄の意味と改良の仕方」を紹介しました。最後に、ケイ酸について紹介します。
1.ケイ酸とは
ケイ酸はSiO2で表され、イネ以外の作物はあまり利用しませんが、イネにとっては必要不可欠な養分です。ケイ酸は、稲に沢山吸収されて、茎数や一穂あたりの粒数の確保、登熟歩合の向上に役立ちます。
ケイ酸が不足すると、生育が悪くなり、収量や品質が低下します。また、茎葉が軟弱になるので、病害虫の被害を受けやすくなったり、倒伏する可能性が高くなったりします。
さらに、根の活力が落ちて、根腐れ秋落ちの原因にもなります。
このため、豊かで品質の良いお米を得るためには、ケイ酸は欠かせない肥料であると言えます。
その目標値は、酢酸緩衝液抽出法の場合が15mg/100g、中性PB法の場合が非黒ボク土で15mg/100g、黒ボク土で25mg/100gとなっています。
2.ケイ酸の測定
ケイ酸の分析法には統一されたものがなく、いくつもの方法があります。代表的な分析法の1つは、酢酸緩衝液抽出法(今泉・吉田法)で、従来からよく使われている方法で、地力増進基本方針の目標値もこの方法で設定されています。しかし、この方法は、イネが吸収できる有効態(可給態)ケイ酸以外にも、ケイ酸質肥料の施用によって土壌に存在する不可給態ケイ酸も同時に検出するので、有効態ケイ酸の正確な把握には向いていないと言われています。
もう1つは、中性PB法(全農法)があり、ケイ酸をリン酸と交換反応させて抽出し、比色法で測定します。
3.ケイ酸の改良
ケイ酸の改良は水田に限られます。土壌分析の結果、ケイ酸が目標値よりも少ないようであれば、不足する分だけのケイカルなどのケイ酸質肥料を施用します。
具体的な資材や施用量については、JA等と相談し、土壌分析値をもとに処方箋を書いてもらうと良いでしょう。
本シリーズの一覧は以下のリンクからご覧いただけます。
【今さら聞けない営農情報】
重要な記事
最新の記事
-
【26年度畜酪決着の舞台裏】加工補給金上げ12円台 新酪肉近で全畜種配慮2025年12月22日 -
配合飼料供給価格 トン当たり約4200円値上げ 2026年1~3月期 JA全農2025年12月22日 -
鳥インフルエンザ 岡山県で国内8例目2025年12月22日 -
【今川直人・農協の核心】農協の農業経営をめぐる環境変化(3)2025年12月22日 -
日本産米・米加工品の輸出拡大へ 意見交換会「GOHANプロジェクト」設置 農水省2025年12月22日 -
令和7年度スマート農業アクセラレーションサミット開催 JA全農2025年12月22日 -
「JA全農チビリンピック2025」小学生カーリング日本一は「軽井沢ジュニア」2025年12月22日 -
農政無策【森島 賢・正義派の農政論】2025年12月22日 -
【人事異動】ヤマタネ(2026年1月1日付)2025年12月22日 -
国産食肉シンポジウム「国産食肉が食卓に届くために」開催 日本食肉消費総合センター2025年12月22日 -
岡山県鏡野町と「災害時における無人航空機による活動支援に関する協定」締結 福田農機2025年12月22日 -
「英国The Leafies 2025」粉末緑茶「あらびき茶」が金賞受賞 鹿児島堀口製茶2025年12月22日 -
「かごしまスマートファーマー育成セミナー」令和7年度の受講生募集 鹿児島県2025年12月22日 -
日本トリム 農業用電解水素水整水器を活用 いちご「肥後こまち」販売開始2025年12月22日 -
宅配インフラ活用 地域を見守り子育て応援 九十九里町と連携協定 パルシステム千葉2025年12月22日 -
大分県大分市佐賀関大規模火災お見舞い金100万円を拠出 コープデリ2025年12月22日 -
新春は「いちごと洋梨のケーキ」丹頂鶴をフルーツで表現 カフェコムサ2025年12月22日 -
障害者雇用支援のエスプールと持続可能な農業モデル構築へ概念実証を開始 食べチョク2025年12月22日 -
滋賀県日野町と農業連携協定 生産地と消費地の新たな連携創出へ 大阪府泉大津市2025年12月22日 -
ブラジルCOP30から世界の気候危機を知る 現地イベント報告 パルシステム連合会2025年12月22日


































