JAの活動:ヒント&ピント ~JAの広報誌から~
【ヒント&ピント】 「座談会」記事も工夫次第2020年3月10日
各JA広報誌の新年号に目を通した。それぞれ思いのこもった力作が多いが、特集のテーマに苦労している様子がうかがえる。組合長の抱負は定番として、干支にちなんだ年男・年女の紹介、JA改革、座談会等が多い。12月の締め切りになるためどうしてもテーマが限られるが、その中でやはり広報担当者の腕のみせどころは座談会であろう。「これは」と思える4つの企画を紹介する。
◆平成生まれの担い手と JAセレサ川崎「CERESA」
平成生まれの認定農業者と組合長の「新春座談会」である。イチゴや花き、野菜を栽培する4人の若い農業者が、それぞれの取り組みや都市農業の将来について語り合う。
話題は、昨年、相次いだ自然災害への備えや住宅地と隣接する都市農業ならでは環境問題など幅広く、プラスチックの代替資材などの扱いや直売所の運営など、JAへの注文も出た。
4人の、ほ場での作業の様子、座談会での各自の表情を写真でうまく捉えてあるが、メインとなる見出しが簡単すぎる。「平成生まれ」ということを、見出しでもっと強調してもよかったのではないか。
◆キーワードは「地域」
JAいずみの「JA IZUMINO」(大阪府)
JAの女性組織である女性会連絡協議会会長とフレッシュミズの代表者の座談会である。
まず目立つのは「新春企画」の表紙の写真である。会長の和服姿に部屋の中央を飾るフラワーアレンジメント。新年号恒例の座談会とのことだが、予め場面を想定して準備していないと、こうはいかない。
話の内容のキーワードは「地域」で、「地域とともに学ぼう、伝えよう」は、広報担当者の思いが伝わる。
このほか、話の内容は、国連のSDGs(持続可能な開発目標)など、今日、JAやJAの女性組織が取り組んでいることであり、時宜を得た内容になっている。
◆内容豊富な7ページの大作
JAみのり「Minori」(兵庫県)
4人のJA青年部支部長と組合長の「新春座談会」である。部会活動、自分の経営、地域のことなど、今日青年部が抱えている問題を忌憚なく話し合っている。特に青年部の活動も併せて紹介しようという意図がうかがわれ、7ページにわたる紙面には、食農教育を中心とした食農活動を随所に紹介している。
また出席者の経営に関する写真と座談会での発言のポイントを抜き出して紹介しており、読み易いレイアウトになっている。最後に各支部長の抱負を紹介しているのもよい。内容が抱負で見出しのつけかたもうまい。
◆現場感覚の厳しい意見
JA紀南「Kinan」(和歌山)
JAの地区運営委員会連絡協議会の正・副会長と組合長の座談会だが、実際の生産に従事している農業者だけに、政府の農協改革やJAの運営についての意見は厳しい。「政府の農協改革、なぜ?」「JAの総合事業の必要性は」「地域の拠点どうあるべきか」「改革の成果は組合員に」という中見出しだけでも、座談会の内容の質の高さがうかがえる。
「JAの存在価値とは」の問いかけもいいが、これはタイトルであって、見出しとしては「JAの存在価値高まる」など、価値判断をはっきりさせたい。出席者のアップ写真は表情が豊かでよい。
※それぞれ画像はクリックで拡大
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