JAの活動:今さら聞けない営農情報
米の品種と育種【今さら聞けない営農情報】第52回2020年5月22日
国民の皆さんが普段食されているお米。
スーパーには色々な産地の色々な品種が並んでおり、どれを選ぶか迷うほどです。
選ぶ基準は、食味であったり、産地であったり、値段であったりと様々ですが、最終的には消費者の好みや考え方によるのでしょう。
では、その食味などを決定づけるお米の品種にはどんなものがあるのでしょうか?
令和元年度産の品種別作付面積をみてみると、上位10品種で7割を超え、上位20品種では8割を超えています(表)。
コシヒカリが圧倒的不動の1位で、続いてひとめぼれ、ヒノヒカリ、あきたこまち、ななつぼし、はえぬきと上位6位はほぼ固定されているようです。しかし、7位のまっしぐらが追い上げてきており、近い将来、もっと上位に食い込んでくることでしょう。
この他、上位20品種以外でも、希少価値のある新進気鋭の人気品種が登場するなど、全国各地で特色のある品種の開発・ブランド米づくりを目指す動きが活発です。
この新しい品種をつくる作業のことを育種といい、より人間にとって都合の良い形質を持った品種をつくりあげることを目的に行われます。
育種の方法は色々ありますが、一番オーソドックスなのが交雑育種法で、ある品種のメシベに、異なる品種のオシベ(花粉)を交配して種をつくり、その種から出てきたものから、それぞれの品種のいいところを併せ持ったものを選抜して、品種を固定する方法です。
この方法は、品種の完成までに10年ほどの歳月がかかる大変骨の折れる仕事が必要なのですが、現在の上位品種の多くは、このような方法で地道に作られました(開発者に敬意を表します)。
近年では、白未熟粒対策として高温に強い品種など、地球規模での異常気象に対応した品種を作るできるだけ早く育成することが求められるようになっています。ところが、従来からある育種法では、気象変化のスピードに新品種の育成がついていくことができません。そこで、新品種の育成期間を短くする育種方法としてゲノム編集という方法が導入されるようになってきています。
では、このゲノム編集というのはどんな方法
なのでしょうか?
次回、その方法の概略を紹介します。
このシリーズの一覧は以下のリンクをご覧ください
(関連記事)
【現場で役立つ農薬の基礎知識2019】いもち・ウンカ防除は計画的に
重要な記事
最新の記事
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(1)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(2)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(3)2025年9月18日
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
「いざ土づくり!美味しい富山を届けよう!」秋の土づくり運動を推進 富山県JAグループ2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日