JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは62【今さら聞けない営農情報】第181回2022年12月24日
肥料原料の価格が高騰し、作物の生育に欠かせない肥料の価格が高騰(約2倍)し、農家経営を圧迫しています。政府は、施肥コストの増加分に対し7割の補助を行う肥料価格高騰対策事業を実施し、海外原料に依存している化学肥料の低減や堆肥等の国内資源の活用等に取り組む農業者に対し、肥料コスト上昇分の一部(7割)を支援しています。国は、この支援によって農業経営への影響を緩和するとともに、化学肥料の使用量の低減を狙っています。
事業の対象は、令和4年6月から令和5年5月に購入した肥料が対象となり、次に示す化学肥料低減に向けた取り組みのうち、2つ以上を実行することで補助を申請できます。このメニューのうち、既に取り組んでいるものがあれば、それも取組メニューにカウントできますが、従来の取組よりも強化または拡大していることが必要になります。
化学肥料低減取組メニューは、①土壌診断による施肥設計、②生育診断による施肥設計、③地域の低投入型の施肥設計の導入、④堆肥の利用、⑤汚泥肥料の利用(下水汚泥等)、⑥食品残渣などの国内資源の利用(堆肥と汚泥肥料を除く)、⑦有機質肥料(指定配合肥料等を含む)、⑧緑肥作物の利用、⑨肥料施用量の少ない品種の利用、⑩低成分肥料(単肥配合を含む)の利用、⑪可変施肥機の利用(ドローンの活用等も含む)、⑫局所施肥(側条施肥、うね立て同時施肥、灌注施肥等)の利用、⑬育苗箱(ポット苗)施肥の利用、⑭化学肥料の使用量及びコスト節減の観点からの施肥量・肥料銘柄の見直し(前出①~⑬に該当するものは除く)、⑮地域特認技術の利用(具体的内容を書くこと)、以上15項目です。
生産者は、化学肥料低減計画書に取組メニューを明記した上で、「令和4年秋肥又は令和5年春肥として確実に購入し、自らの農業生産に使用する旨」を誓約する欄に自筆サインを署名し、所定の期間内に行ったことを証明する書類(発注書および実際に購入したことを示す領収書等)を添えて申請することで補助が受けられます。
このうち、①については、今まで取り組んだことが無ければJAグループなどの土壌診断を受けてもらえる機関に土壌診断を依頼します。既に取り組んでいれば、診断個所圃場数を増やすなど取り組みを強化・拡大していれば、取組メニューとしてカウントできます。
②以降のメニューについては、次号以降具体的に紹介します。
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