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JAの活動:未来視座 JAトップインタビュー

自助を土台に共助 「つながり」肝に JA松本ハイランド・田中均組合長(1)【未来視座 JAトップインタビュー】2023年5月9日

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地域振興や食料安保など課題が山積する中で、地域に根ざした農協の役割がますます期待されている。そこで「未来を視座」するJAトップへのインタビューを企画し、シリーズで伝えることにした。1回目は長野県JA松本ハイランドの田中均組合長に登場してもらった。聞き手は文芸アナリストの大金義昭氏が務めた。

JAの基盤づくり 「自動巻き」で進化

JA松本ハイランド(長野)田中均組合長JA松本ハイランド 田中均組合長

大金 JA松本ハイランドという名前を知らない人はいません。1992年、松本平農協を中心に合併して30年。田中さんの組合長就任が2021年ですね。まずはご来歴を?

田中 私は中央協同組合学園の6期生で1977年卒業です。長野県農協中央会に20年勤めました。最初の3年が農政課、経営監査に移って支所を回り、教育部を経て最後は組織経営部で労務担当を務めました。

20年くらいで区切りにしたいと退職し、就農して26年になります。スイカと白ネギに取り組んでいます。家で農業をしていると役が回ってくる。地域の農家組合長を務めて以来、支所総代会長、支所担当理事を1期、58歳で常勤の営農経済担当常務になって3期務め、組合長になりました。

大金 コロナ禍でたいへんな年に就任したわけですが、どのような所信でしたか。

田中 先人がつくったJAのビジョン「食と農を育み、笑顔があふれる地域をみんなで実現します」ということに尽きるなと思いました。キーワードは「みんな」です。

コロナ禍がありましたが、この2年間でそんなに事業量は落ちてない。共済事業や葬祭事業は縮小しましたが、他の事業は落ちなかった。組合員との「つながり」なんですね。JAは不特定多数を相手にするのではなくメンバーシップです。先人から受け継いできた組合員との「つながり」を組織・事業・経営の基盤としていかに強化し、次に引き継いでいくかが私の任務です。

JAはトップが言う通りに「右向け右」にはならない。どういう方向に進むかは組合員の「車座集会」などを積み上げて決定し、決めたことはみんなで実行する。そういう「当事者意識」の考え方や活動を「自動巻き」と私は言っています。4万組合員の中で一人でも多くそういう人を増やせれば、黙っていても「我がJA」としての協同組合活動は進化していきます。

組合員も「参加・参画」を

文芸アナリスト 大金義昭氏文芸アナリスト 大金義昭氏

大金 ワーカーズ・コレクティブや労働者協同組合とも通底していますね。

田中 協同組合は本来そういうものです。ところが図体が大きくなると、「わたし出資する人、あなた働く人、あなた経営する人」に分かれてしまう。職員が高度な仕事をしないとJAは成り立ちませんが、組合員も「お任せ」だけではいけません。

大金 「自主的に参加を」と?

田中 「参加・参画」です。職員にはよく言うんですけど、プロフェッショナルとして組合員が進む方向をいかにサポートするか。これが職員の役割です。

大金 JAの「強み」は「協同活動×総合事業」の相乗・相補効果だと思うのですが、「強み」は鍛えないと「弱み」に転化する。

田中 総合事業はJAが世界に誇るビジネスモデルです。私どもの営農指導の赤字は5億円です。それを信用・共済事業の利益で賄っていますが、極めて合理的だと考えています。

大金 そうした取り組みを支える、何か「座右の銘」などがあるのですか。

共助の前提 自助が土台

田中 一言でいえば、元JA全中会長の宮脇朝男さんが唱えた「自助を土台とした共助」に集約されます。その逆に、自助を土台としない共助は「もたれあい」で行き着く先は「共倒れ」になる。

余談ですが、ウクライナ支援が世界に広がったのも、ウクライナの国民一人ひとりが立ち上がったからでしょう。JAも「あれをして、これをして」の「おねだり農政」だけでは広く国民の皆さんに理解していただけない。「公助」の前提は「自助・自立」であり「共助」です。答えを自ら悩んで見出し、その答えに向かって努力する。

それを説いた宮脇さんは、「制度」として立ち上げられたJAに魂を吹き込んだ第一人者でした。直近ではJA全中OBだった松岡公明さんです。著作に「大きな協同と小さな協同」を書かれています。「大きな協同」による経済合理性やスケール・メリットの追求。これには合併も入ります。それと「小さな協同」による民主的運営。このバランスが大事だと言うのです。

松岡さんには「協同活動みらい塾」に足を運んでもらいました。山岳事故で亡くなる直前の卒塾式で語られたのが「ウサギとカメ」の話でした。なぜカメが勝ったか。カメは目標を見失わなかったが、ウサギは競争相手しか見ていなかった。もう一つ。松岡さんが息子に「なぜカメは寝ていたウサギを起こさなかったのか」と尋ねられ、ハッとしたそうです。ゴールを見据え、仲間と一緒に目標に向かう。それが協同組合じゃないか、という話でした。

自助を土台に共助 「つながり」肝に JA松本ハイランド・田中均組合長(2)に続く

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