JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機質資材を活用した施肥(35)汚泥肥料の成分【今さら聞けない営農情報】第216回2023年9月16日
みどりの食料システム法が施行され、国内の肥料資源(特に有機質資材)を活用した施肥の重要度が増しています。そこで本稿では、堆肥、汚泥肥料、食品残渣、有機質肥料、緑肥作物といった有機質資材を有効活用するために、順次有機質資材利用にあたって理解しておきたい基本的事項をご紹介しています。
今回は、堆肥にならぶ有機質資材である緑肥の種類と上手な使い方が分かりやすく整理された資料をご紹介します。緑肥については本稿でも概要を紹介(No.187)していますが、現場で活用できる詳細な手引き書である「緑肥利用マニュアル」が農研機構から発刊されています。
これには、緑肥のもつ機能や上手な活用法が詳しく解説してあり、緑肥の活用を考えている方は是非一度ご覧下さい。
以下に内容をかいつまんでご紹介します。
緑肥は、輸送にかかるコストがほとんどかからず、施用にかかる労力も少なくてすむ有機物であり、化学肥料が普及する以前から作物の肥料として利用されてきました。
化学肥料が普及すると、次第に肥料としての緑肥の栽培は減少しましたが、近年では、緑肥のもつ有害線虫の抑制などの新たな効果が注目されており、また肥料価格の高騰などから再び栽培が増えつつあります。しかし、緑肥の導入で化学肥料をどのくらい減らせるのか、どの程度土づくり効果があるのかなど、緑肥の導入によるコスト削減効果は不明でした。 こうした中、2015~2019年度に、農林水産省の委託プロジェクト研究「生産コストの削減に向けた有機質資材の活用技術の開発」において、緑肥による養分供給効果と土づくり効果および導入に必要となる費用と労働時間を定量的に評価することで、緑肥の導入のメリットを明確化することを目指した技術開発が農研機構で実施され、「緑肥利用マニュアル」は、その成果が取りまとめられたものです。同マニュアルは、普及指導センターや農協の担当者などが、緑肥の導入やその次の主作物への有機物施用や施肥を指導する際の参考として利用することを目的として作成されていますが、現場での導入事例や経営評価が掲載されていますので、実際に栽培を行う農家が緑肥を自ら選んで導入し、土づくりや主作物の減肥栽培に取り組む場合にも参考になります。
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