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特集:第40回農協人文化賞-わが体験と抱負

2018.07.19 
【福祉事業部門受賞】高齢者に生き甲斐の場 荻野孝子・JA愛知東 助け合い組織「つくしんぼうの会」会長一覧へ

 7月5日に開催された第40回農協人文化賞で受賞された17名の方々に、これまでの農協運動の体験談と今後の抱負についてお書きいただきました。JAcomでは、その内容を数回に分けて紹介していきます。本日は厚生事業部門で受賞した中澤あけみJA長野厚生連健康管理センター元保健師長、福祉事業部門で受賞した荻野孝子・JA愛知東 助け合い組織「つくしんぼうの会」会長、特別賞を受賞した古谷義幸・前秦野市長の3名を紹介します。

【福祉事業部門受賞】高齢者に生き甲斐の場 荻野孝子・JA愛知東 助け合い組織「つくしんぼうの会」会長 愛知県内でも高齢化率の高い新城市と北設楽郡の2町1村を管内とするJA愛知東は、平成4年から女性部員を対象にJA高齢者対策リーダー研修会を開催し、多くの部員がホームヘルパー資格を取得しました。この出会いが現在の活動の源になっています。
 身につけた知識や技術を生かし、助け合い活動により誰もが安心して暮らすことのできる地域づくりをするために、平成9年5月から市町村の担当者やJA、ホームヘルパー資格者による打ち合わせを開催し、私達に何が出来るのか、地域の中で何が求められているのかなどについて意見交換会や勉強会を進めてきました。その中で組合員をはじめ地域住民の豊かな生活を守るためには、市町村と協力し、JAの特徴を生かしたボランティア活動を展開する必要性が確認されました。
 市町村の実態調査や先進事例視察、組織内での研修、規約作りなど1年間の準備期間を経て平成10年5月JA助け合い組織「つくしんぼうの会」が誕生しました。名称は当時のJA愛知東管内の作手村、新城市、鳳来町の頭文字をとって名付けることにしました。56歳の目ざめでした。その後、手づくりパンフレットを作成し、行政、社協、社会福祉施設へのPR活動しながら、メンバー51名でスタートしました。
【福祉事業部門受賞】生涯青春 荻野孝子・JA愛知東 助け合い組織「つくしんぼうの会」会長 翌11年度から始めたミニデイサービスでは、高齢者の笑顔と感謝の言葉に出会い、メンバーは満足感と充実感にあふれ、その後の活動に対する意欲の源となりました。この時期から8年間、JAあいち中央会で社会福祉士として県下の助け合い組織活動と介護保険事業へ関わることとなリ、樋下田邦子氏によりきびしさと慈愛のこもった目で育てていただきました。
 平成12年介護保険制度スタートにともない「介護予防」に着目し「元気なお年寄りを作ろう」を合い言葉に、地域公民館などでミニデイサービス(現在のいきいきサロン)に取り組み始め、家事援助サービスも「自立生活支援型家事援助」と位置づけて活動の充実に努めました。
 その後、国の施策として、ふだん家に閉じこもりがちな高齢者に対し、社会的孤立感の解消や、要介護状態になることの予防を目指すと共に、高齢者の生き甲斐と社会参加を促進する事業として「高齢者生きがい活動通所支援事業」が打ち出され、当会は、新城市と鳳来町2行政から委託を受け平成13年には、120会場2360名の参加でしたが、現在は206会場3000名が参加するいきいきサロンを開催しています。今までに4名の100歳誕生会も実施、今年度も続く方がいて、いよいよ人生100年時代を思わせられます。
 他にも厚生連の保健師、市民病院の出前講座、小学生の訪問(現在4小学校の児童が参加)、買物支援のためのおでかけサロンなど楽しいサロン作りの工夫の中で、信頼関係を深め会員の生きがいにも繋がっています。
 その間に、農業体験を通じ、障害者グループと出会い、それをきっかけに、会員の多くが、ガイドヘルパーや、精神障がい者ヘルパーの養成研修に参加、会員同士の意識も高まり、定例会は活発な意見で、活動の確認の場となりました。
 平成17年3月、念願の拠点「つくしんぼうルーム」が完成。これは、助け合い組織の活動に深い理解を示して下さるJA全職員の支えによるもので、私達はこの喜びをこれからの地域活動に邁進する力にしようと誓い合いました。そして「地域に根ざした活動こそがJAの原点」と肩を押して下さったことに感謝しつつ、活動の基本に「自分たちの活動が自己満足になっていないか」「利用者本位のサービスとなっているか」をいつも問い続けてきました。

 

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つくしんぼうの会の活動(写真)つくしんぼうの会の活動

 

 そうした中で平成18年、第55回日本農村医学会の金井賞受賞という栄誉に恵まれました。その頃地域医療の医師不足が問題になっていましたが、その年の4月、新城市民病院も急激な医師不足にみまわれ、産科は廃止、時間外の救急受付廃止など、病院業務が縮小され、公営か民営かの議論となり地域住民の不安の中、住民として何か手助けをの思いから院内ボランティアを申し入れ週2回の活動が現在も続いています。
 農村医学会のシンポジウムでは、地方への医師派遣や他県への診察に通う妊婦の事例などを発表。その後、新城市は市内に助産所を設置、浜松市の病院と連携し妊婦の負担軽減につなげています。
 現在は、会の両輪としての地域の農産物を使用した弁当、加工品作りは自立のために大切な事業となっています。JAの果樹部会や地域の高齢者が育てた農産物を譲り受け商品化したものは、JA直売所や道の駅で好評を得ています。今後は、JAと共に、いきいきサロンや商品開発を通して、地域全体の絆をもっと深めることが出来ればと思っています。そして安心して住み続けることの出来る地域作りのための惜みない努力と、困った時はお互いに助け合える仲間づくりを会のモットーとしてゆきます。

  

【略歴】
(おぎの・たかこ)
昭和17年生まれ。
平成2年鳳来町農協女性部長、5年合併によりJA愛知東女性部長、10年JA愛知東助け合い組織「つくしんぼうの会」会長、現在に至る。平成14年JA員外監事、17年JA理事、29年退任。

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