JAの活動:年頭あいさつ2019(JAグループ)
雨宮 勇 氏(全国厚生農業協同組合連合会 経営管理委員会会長)2019年1月1日
経営の健全化を支援
平成31年の新春を迎え、謹んでお慶び申しあげます。
JA組合員そして地域住民の皆様方には、日頃よりJA厚生事業にご理解とご協力を賜り厚く御礼を申しあげます。
JA厚生連は、JAグループの一員として、皆様が健康で豊かな生活を送ることができるよう、保健・医療・高齢者福祉事業の提供に日夜取り組んでおります。
平成29年度においては全国107の病院、64の診療所において、5万4000人の職員が1717万人の外来患者、977万人の入院患者、74万人の救急患者、20万件の救急車搬送、2万件を超える出産等に対応しました。また、187万人の皆様に健康診断を実施いたしました。
さて、少子高齢化の進展や人口減少の加速により社会保障費の増加が国家財政悪化の原因と言われておりますが、その影響を受け、今後、医療機関の再編成や医師偏在の深刻化等、JA厚生連を取り巻く環境も益々厳しくなるものと認識しております。
こうした中、本会では「厚生連事業活動の堅持」を最重要テーマに掲げ、平成31年度を初年度とする本会第9次3か年計画を策定し、経営悪化の未然防止をはじめとする「健全経営支援」に最優先で取り組むこととし、あわせて、経営健全化に資する「制度対応支援」、現行制度の中で対応できないことに対する「制度改正要望」に相乗的に取り組むこととしております。
第一は「健全経営支援」です。人口構造の変化(少子高齢化)等により経営を取り巻く環境が厳しさを増すなか、厚生連の経営悪化の未然防止や要改善厚生連の経営改善に向けて、より実効性の高い支援を行ってまいります。
特に、経営悪化の未然防止や要改善厚生連の事業継続等に向けて、アラーム機能の強化および事業継続の支援スキームの構築に取り組んでまいります。
第二は「制度対応支援」です。人口減少や少子高齢社会の進展にともなう医療需要の変化に対応するため、各都道府県においては、地域医療構想にもとづき、地域ごとに2025年に向けた医療提供体制の再編の議論がすすめられていることから、各厚生連の事業の維持・強化に向けて、情報の共有や個別の対応策検討等を通じ、地域医療構想への対応を支援してまいります。
また、平成31年4月に施行される働き方改革関連法への対応が重要課題となっており、労働時間管理等の課題および対応策等にかかる情報収集・提供を行うなど、労務対策支援を強化することとしております。
第三は「制度改正要望」です。医師等の安定的確保のため、農山村地域を中心に活動する厚生連においては、医師等の偏在により医師等の確保が大きな課題となっていることから、医師偏在対策や医師の働き方改革への対応等について、「地域医療を守る病院協議会」等、関係団体と連携し行政庁等への政策要請に取り組んでまいります。
農村部に多く立地しているJA厚生連の病院や診療所は、都市部に比べ不利な条件にありますが、地域の開業医や病院団体、行政等と連携を取りながら、変化に適応した保健・医療・高齢者福祉事業を実践し、地域社会の発展に貢献していく所存です。
本年も、皆様方のより一層のご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申しあげます。
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