人事2024 左バナー 
左カラム_シリーズ_防除学習帖
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
左カラム:JCA160_86
FMCベリマークSC:(SP)センター
日本曹達 231012 PC
日本曹達 231012 SP

JAの活動:負けるな! コロナ禍 今始まる! 持続可能な社会をめざして

京都大学こころの未來研究センター 広井良典教授 地方分散型システムへの移行と「生命」の時代(下)【負けるな! コロナ禍 今始まる! 持続可能な社会をめざして】2020年6月24日

一覧へ

◆「生命」は「情報」でコントロールできるか?

この場合重要なのは次の点である。すなわち、昨今の「情報」をめぐる議論で、しばしば私たちは、膨大な「ビッグ・データ」や様々な「アルゴリズム」で世界の全てを把握し、コントロールできるという世界観あるいは?幻想"にとらわれがちだ。

そして、「生命」それ自体も「情報」によってすべて理解し把握できると考えがちなのであり、私は以前からそれを「情報的生命観」と呼んできた(拙著『生命の政治学』参照)。

近年のその典型は、いわゆるシンギュラリティ論で有名なアメリカの未来学者レイ・カーツワイルであり、彼の主書『シンギュラリティは近い(Singularity is Near)』のサブタイトルは、いみじくも「人間が生物学を超えるとき」となっている。要するに、「生命」はすべて「情報」でコントロールできる、あるいは生命は情報に還元することができることができるというのがその基本思想である。

しかし、今回のコロナ・パンデミックは、「生命」はそれほど簡単に「情報」によってコントロールできるようなシロモノではないということを、私たちに冷厳な形で突き付けたのではないだろうか。細菌やウイルスはある種の"創発性"をもっており、人間が設計したアルゴリズムのコントロールをすり抜ける形でさらに進化していく。

生命や自然がもつそうした性格は、農業に関わる人々であれば、様々な経験の場面において実感として把握してきた事実であるだろう。

さらに言えば、むしろ「情報」と「金融」と「集中化」と「グローバル化」で世界をコントロールし尽くそうとするという現在の流れこそが、皮肉にも今回のようなパンデミックをもたらし、しかもそうした流れの中で蓄積していた格差や貧困や環境劣化が、災禍を一層増幅させてしまうことが明るみになったのではないか。

本稿では、「コロナ後の世界」の構想というテーマを、(1)「都市集中型」から「分散型システム」への転換、(2)「生命」の時代と農業、という2つの柱にそくして述べてきた。これらは相互に深く関連し合っており、また、ここでは十分論じられなかった関連する他の論点も含め、その全体の展望をまとめたのが(図2)である。

経済システムの進化と「生命」の時代

現下の対応と並行しながら、「コロナ後の世界」の構想を根底から議論していくことが今こそ求められている。そして本稿で指摘した「地方分散型」社会そして「生命の時代」という、二つの方向のいずれにおいても、農業は鍵となる場所に位置しているのである。

(参考文献)
広井良典『人口減少社会のデザイン』、東洋経済新報社、2019年。


京都大学こころの未來研究センター 広井良典教授 地方分散型システムへの移行と「生命」の時代(上)

【負けるな! コロナ禍 今始まる! 持続可能な社会をめざして】

重要な記事

ナガセサンバイオ右上長方形SP 20230619

最新の記事

DiSC:SP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る