JAの活動:持続可能な社会を目指して 希望は農協運動にある
【特集:希望は農協運動にある】対談:協同組合の連携さらに(2)比嘉政浩(一社)JCA専務 加藤好一 生活クラブ生協連顧問2020年10月27日

加藤好一 生活クラブ生協連顧問・比嘉政浩(一社)JCA専務
JCAの役割に期待
軸は農協と生協
比嘉 協同組合の連携の話に戻ります。具体的な組織目的に違いを乗り越え、異なる協同組合による連携を進めることがこれから必要で、JCAとしても努力しています。いま人口の減少、高齢化という地域の問題を抱え、一方でJAは経営的に厳しい状況にあります。
いろんな組織との連携が必要ですが、やはり協同組合同士の連携が重要だと思います。企業相手では文化の違いに戸惑うことがありますが、協同組合はミッション果たしながら自ら収支を確保する必要があり、経営のやり方など相互に学ぶところも少なくありません。
加藤 労協法(労働者協同組合法)が成立の見通しで、今後の展開に注目しています。協同組合も多様になります。そのなかで特に農協と生協の関係について議論したいと思います。一つは、厳しい農業情勢のもとで「食」の問題はどうするか。二つ目は総合農協では男性も頑張っていますが、女性の起業や介護・福祉などさまざまな活動をどう支援するかです。ここに労協法が絡む可能性があります。協同組合間の連携として、軸になるべき二つの組織の連携を強める必要があるのではないでしょうか。
比嘉 生活クラブ生協はどのような連携をめざしていますか。
提携10か条基本に
加藤 生活クラブ生協の提携は、1970年代、日本有機農業研究会をつくった一楽照雄が提唱した「提携10か条」に学んできました。提携10か条をクリアするのは困難ですが、その提携モデルの一つが山形県遊佐町の例です。
1971年から米を中心に提携をスタートさせました。
国の減反政策が始まった時で、提携は減反・転作との闘いでした。遊佐町には約31000ヘクタールの水田があり、米の生産量は15万6000俵ほどです(2016年実績)。うち、生活クラブ生協向けの契約栽培は約10万4000俵。これを「共同開発米」として提携していますが、昨年は9万俵台を切るまでに減り、減少に歯止めがかからない状態です。ただ今年は新型コロナの影響で家庭消費が増えたため不足気味です。このまま消費の減少が続くと提携関係維持は困難になります。
そこで課題になるのが転作作物をどう消費するかで、特にその決め手が飼料用米です。同町の飼料用米は約370ヘクタールで400トン余り。これを全量、提携する養豚農家につなげます。ほかの転作作物も、すべてこのようにつなげて消費しています。
この遊佐町のシステムをモデルに少しずつ他産地にも広げたいのですが、特に飼料用米の助成制度が減額方向に見直されると、この仕組みが維持できなくなります。
これから目指すべきは、食を通じた女性の起業の支援、高齢者の介護や生活支援など総合的な福祉協同組合との提携も大事だと思います。それによって協同組合間協同を、提携の理念で強化し、さらには1880年のICA(国際協同組合同盟)モスクワ大会で採択されたレイドロー報告にある「協同組合セクター論」を展望していくべきです。協同組合が企業、政治セクターと並び立つ確固たる地位を目指す必要があると思います。その意味でJCAに大いに期待しています。
協同の力で社会変革
比嘉 当時の遊佐農協(現在のJA庄内みどり)と生活クラブの提携は災害時の相互協定まで進み、協同組合連携が深化したすばらしい事例です。目指すべき方向です。現在、42県で県域の協同組合連携の組織ができています。全国には、他にもすばらしい事例が多くあります。その経験を共有するよう努力します。
JCAでは、「協同を広げて、日本を変える」のテーマで、円卓会議の設置を提案しています。2030年を見据えた初の長期ビジョンづくりです。環境の悪化や人口の減少、格差の拡大が懸念されるなか、協同組合組織全体で協同を広げて、日本社会を変えていこうというものです。
そのため2023年を目標に、県域、全国域で積極的に「円卓会議」を設け、協同組合間の話し合いの場をつくることを掲げました。協同組合間の連携で、組合員や地域に直接貢献している事例、事業につながっている事例は数多くあります。これらを日本中で当たり前のことにできるよう、コミュニケーションの機会を積極的につくっていく方針です。

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