JAの活動:JA戦略型人材育成研修全国研究発表会
【特集:JA戦略型人材育成研修全国研究発表会(2)】現場の問題意識前面に2021年3月16日
堀江 洋延さん◆労力支援部署設け
茨城県JA北つくば東部営農経済センター営農課係長 堀江 洋延さん
農業者の所得向上のため、産地の生産力をどう維持・発展させるかについて発表した。具体策として、(1)農業労働力の確保(2)遊休施設解消と経営改善に向けたGISシステムの活用(3)スケールメリットを生かした農家コストの低減と販売力の強化――を挙げる。
同JA管内では、常時雇用の農業経営体は増えているが、臨時の雇用で対応している経営体は繁忙期の雇用が難しくなっており、規模縮小や離農を余儀なくされている。このため発表では、JAに農業労働力を支援する専門部署を設置することを提案。短期や季節雇用をつないで年間雇用を可能にするシステムをつくることで、外国人研修生のほか、JA施設のパート職員や、サラリーマン家庭の主婦、定年退職者、さらには地元の農学校生、障がい者・高齢者も対象に挙げる。
また、GISシステムを利用し、栽培履歴の管理に加え、そのデータと生産物の販売情報をリンクさせて経営分析したり、産地全体で遊休施設の活用、および情報共有による規模拡大・就農支援したりすることを提案する。
森 啓之さん◆葬祭事業を生かす
栃木県JAかみつが 監査室係長 森 啓之さん
JAの葬祭事業改革で提案。葬儀が終わった後に葬儀担当者が利用者に対して行う必要な手続きの説明が不十分だとの認識から、JAの顧問弁護士、税理士など外部講師による葬祭担当者に対する研修の必要性を指摘する。
担当者は葬祭事業だけでなく、信用・共済など、他の事業についても支店の担当職員者と同じレベルで説明できるようにするため、支店職員などを講師に講習会を開くことや、葬儀後やらなければならない手続きが分かるよう、リーフレットを作って「見える化」することが必要という。
こうした葬祭に関する相談機能の充実によって、組合員との信頼関係が育ち、特に若い世代との新たなつながりが生まれる。それがJAの新規事業利用、事業の継続的利用につながり、複数事業の取引度合いを高めることになる。「総合事業の強みを生かした葬祭事業から始まるJAの事業展開によって組合員に頼られるJAをめざすべきだ」と、葬祭事業の大切さを強調した。
石橋 一美さん◆総合力で終活支援
JAフルーツ山梨企画管理部人事課係長 石橋 一美さん
終活支援について総合事業、地域密着というJAならではの強みを生かした終活事業について提案。預貯金の整理や年金受給の指定替えは信用、契約の見直し、相続対策としての新規契約提案は共済、住宅のバリアフリーなどのリフォームや墓石や葬儀の相談は購買でと、JAはそれぞれの部門で対応できる。
こうしたサービス事業が、結果的に関連する事業部門の収益増につながるほか、JA内の情報共有がより緊密になり、それによって「部門間の連携をより強めることができる」という。
また、組合員に最後まで寄り添うことで、「組合員の子弟など次世代層の、JAに対する見方の変化が期待できる」とみる。特に次世代層への働きかけの重要性を指摘。そのためには、「組合員の視点に立ち、どのような手法でアプローチをするかを考えていく必要がある」と指摘した。
築山 理恵さん◆畑の学校で応援団
JAながさき西海企画部総合企画課係長 築山 理恵さん
JA・農業ファンをつくり、地域農業の応援団を増やすための手法を提案する。この背景として、事業利益の減少、最近の正・准組合員の減少を挙げる。しかし、管内世帯の86%は非組合員世帯で、まだ伸びしろがあると分析。その上でJA事業をいかに員外にPRするかが、事業利用拡大のカギだという。
そのためのポイントとして、JAを利用する可能性のある人とのつながりをつくることを挙げる。具体的には「JAながさき西海 畑の学校開校」を提案する。親子の食農体験教室で、先生は経験豊かな青年部・女性部員が中心になる。
支店職員はスタッフとして参加し、組合員とのつながりをつくる。また准組合員は「地域の農業応援団」と位置づけ、合併20周年記念キャンペーンとした加入促進運動の展開が必要だとしている。
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