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JAの活動:第43回農協人文化賞

【第43回農協人文化賞】共済事業部門 埼玉・いるま野農協組合長 大木清志氏 人と人の繋がりから2023年2月9日

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いるま野農業協同組合代表理事組合長 大木清志氏いるま野農業協同組合代表理事組合長 大木清志氏

JAいるま野は、埼玉県南部の10市3町を事業区域とする都市型JAです。管内は、関東ローム層の豊潤な土壌を生かした作物が多くあり、生産量全国1位のサトイモ、2位の小松菜などの生産が盛んです。また日本三大銘茶の「狭山茶」も有名です。

私は、平成29(2017)年より当JAの組合長を務めさせていただいております。JAや連合会の職員経験もなく、華やかな経歴は記せませんが、就農以来、農業、そして地域貢献活動に懸命に取り組んできました。この経験が、現在のJA運営に役立っていると感じています。

私は、昭和26(1951)年、県南部の「三富地域」の農家の長男として生まれ、18歳で就農しました。「三富地域」は江戸時代に川越藩が開墾したもので、屋敷地と畑と平地林「ヤマ」を有し、「ヤマ」の落ち葉を集めて堆肥にする「武蔵野の落ち葉堆肥農法」で知られています。平成29(17)年には、「日本農業遺産」に認定されています。

私が就農当時、強く感じたのは「個人では販売力が弱い」ということでした。当時の農家は家ごとに出荷していました。そこで私は、近隣の農家を回り、『力を合わせて、助け合い、協同してやっていこう』と説得したのです。この取り組みにより、同じ野菜を作る農家が増え、『協同』意識も深まっていきました。そして、農家がまとまり、出荷するようになり、出荷組合ができました。これは、現在のJA野菜部会の母体となったものです。

種まきから収穫までの農業講座種まきから収穫までの農業講座

30代には、公民館活動にも力を入れました。高度経済成長も終わり、地域も豊かになり始め、「農業は堆肥の臭いがする」などと言われた時代です。そのような中、地域の方に、農業を理解していただくことを目的に、公民館活動の取り組みとして、野菜の収穫体験を始めました。好評をいただいたことから、「畑で種まきから収穫までを体験できる」農業講座を始めました。回数を重ねていくと、参加された方から、「ヤマ」の落ち葉掃きもやりたいという話をいただき、取り入れました。私有地の「ヤマ」は、地域の方が自由に出入りできるようにしてあり、落ち葉掃きをきっかけに、クワガタを取りに子どもが来たり、散歩にくる人も増えたりと、農業を理解していただくだけでなく、『地域の輪』も広がっていきました。

また、40代からは少年補導員と保護司を計20年努めさせていただきました。非行少年や罪を犯した人の更生を手助けする仕事ですが、考え方や人生観が全く違う相手と根気強く接し、信頼を築き、更生へと導く仕事であり、この経験により、『相手の話に如何に耳を傾け、受け入れていくか、相手を思いやるか』が大切であることを学びました。

このように、就農以来、営農や地域貢献活動を通じて、『力を合わせ助け合い、協同すること』『地域の輪を広げていくこと』『相手を思いやること』を実践してきました。JAの組合長としても、この考え方に基づき、当JAの「人に優しい豊かな地域社会を目指して」という理念のもと、「地域農業の振興」と「豊かで暮らしやすい地域社会の実現」に取り組んでいます。

共済事業については、まさに、この考え方を実践していく事業であると認識しており、「組合員・地域住民の暮らし」を守るため、以下に取り組んでいます。

①管内の地域性により七つの地域に区分けし、総合渉外(総勢214人)を配置、組合員・利用者の相談役として、共済をはじめ、税務、相続、営農までサポートしています。トータルな相談活動を行うため、あえて「LA」とは呼んでいません。
②将来にわたり永続的に事業活動を展開し、組合員・利用者を支えていくため、維持費収入の確保を意識した推進・保全活動に取り組んでいます。特に、生活障害共済の普及に取り組んでおり、県下トップの契約件数・保有高となっています。
③万一の大規模災害発生の際に、1日も早く共済金をお届けできるよう、JA自然災害損害調査員の養成に取り組んでいます。
④「幸せの輪」を一層広げていくため、子育て世代を対象に「こどもくらぶ」を組織し、次世代・次々世代との接点強化に向けた活動を実施しています。
⑤地域住民に対して、農業やJAへの理解を深めていただくため、農業体験イベント等を開催し、JAファンづくりに取り組んでいます。

落ち葉たい肥の平地林落ち葉たい肥の平地林

近年、行き過ぎた市場経済主義の進展により、農村や地域社会の疲弊が進んでいます。しかしながら、私たちの心の根底には、『相手の話に耳を傾け、思いやる気持ち』があります。この考え方のもと、暮らしを支え、『地域の笑顔』を守っていけるのは、JAであると思います。

農家、地域の皆さま、JA役職員、様々な立場の仲間が、『人と人とのつながり』を大切にして、同じ方向に向かって、理解し、助け合い、協同することにより、今後とも『皆が豊かで安心して暮らせる、笑顔があふれる地域社会づくり』に取り組んでいきたいと思います。

大木清志様【略歴】
おおき・きよし 昭和26(1951)年1 月生まれ。昭和44(1969)年就農、以降地域住民や近隣農家と協力し農業と農地を守る活動に取り組む。JA 関係では支店支部長、野菜連絡協議会役員、共済友の会役員、JA いるま野総代などを務める。平成20(2008)年同理事、平成26(14)年同地域理事代表、平成29(17)年6 月同代表理事組合長、現在に至る。

【推薦の言葉】
若者との関係性強化
大木氏は昭和44年に就農し、地域住民や近隣農家と共に課税対策など農業と農地を守る活動に取り組んだ。JAの支店支部長、野菜連絡協議会、共済友の会の役員、さらにJA総代、理事など経験を積み、平成29年JAいるま野組合長に就任。特に共済事業で実績をあげた。
同JAの令和3年度末の共済実績は、契約者数約9万2000人、長期共済保有契約高は約1兆9875億円に上り、事業基盤の中枢を担っている。令和4年度からの3カ年計画では、特に関係性の強化が必要な若年層を中心に、生命保障を中心に万全な保障の提供に努めている。
具体的には市場性を考えて管内を七つの支店に渉外担当者を配置。各地域に1人のLAトレーナーを置き、合計の渉外担当者214人体制で、コロナ禍のもとでのオンライン面談・3Qコール・Web3Qなどを組み合わせた「組合員・利用者へのアプローチの総量」の向上に取り組んでいる。

【谷口信和選考委員長の講評】
大木氏は「武蔵野の落ち葉堆肥農法」で有名な三富地域でJAの野菜部会の母体となった出荷組合を組織したり、公民館活動の一環として野菜の収穫体験や農業講座を実施して「地域の輪」を構築してきました。組合長に就任してからはこうした活動の上に共済活動を位置づけ、①税務から相続・営農までサポートする体制をつくり、②子育て世代を対象に「子どもくらぶ」を組織するなど、JAのファンづくりを通して実績をあげています。

第43回農協人文化賞

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