JAの活動:【2024年新年特集】どうする食料・農業・農村・JA 踏み出せ!持続可能な経済・社会へ
【お登紀さんの2024年新春メッセージ】歌手・加藤登紀子さんインタビュー① 「田園回帰」へ!2023年12月21日
千葉県の鴨川で農業に携わる加藤さん。「農は生命(いのち)の営みなんです」と力を込める。2つの戦争、気候危機の進行など先の見えない2024年になりそうだが、「希望を話したい」という加藤さんからの新春メッセージをお届けする。
歌手・加藤登紀子さん
加藤 戦争もあり食料危機もあり、絶望的な話が世にあふれています。でもそれ以上に、「こうすれば大丈夫よ!」と言いたい。年の初めに、この国では、自然の恵みをありがたくいただいてやっていけるぞという希望を話したいんです。
大金 「夢や希望」について、と!?
加藤 いえ、「夢や希望」から入って、苦しい話もしましょ!(笑)
大金 5年前にお話を伺ってから、この間にパンデミックがあり、ウクライナ戦争が続き、パレスチナ紛争が起こって......。
加藤 「人が土の上に立っていられない」ということがどんなに不幸かということよね!
大金 温暖化で地球も沸騰していますが。
加藤 でもね、私は、みんなが大騒ぎしているときには妙にクールになるんです。乗っていた旅客機がハイジャックされた時も「チョー冷静」でしたから。(笑)
大金 そういう腹の座(すわ)り方はご来歴からですか!?
加藤 ご来歴(笑)、そうね。(旧満州<中国東北部>からの)引き揚げ者だったこともあり、母には、「今日生きられればいい」という明るく、きっぱりしたところがありました。男は考え過ぎるのよ! 動かずに考える。それが良くないの!(笑)。でも、希望を持つことから始まるというのは、中村哲さんから学んだ気がします。ひどい状態だったアフガニスタンにも、人が生きようとする猛烈なエネルギーがあった、と。
大金 加藤さんも、絶望の中に希望を見ておられる。
加藤 絶望した時に希望が湧くんです。そうしなければ生きられません! 哲さんは「水があれば緑が生まれる。緑が生まれれば人が住める」と言っています。アフガニスタンは砂漠で人が住めなかったところに水を引きました。それに比べれば日本は緑がいっぱい!
戦争が終わって荒廃した国だったかもしれないけど、農家の皆さんが農地を守ってくれ、そのおかげで戦後復興できた。だけどその後、あまりにもスピードを上げすぎた。夫の藤本敏夫は「大地を守る会」を始めたんですが、国策は「近代化」だったから、有機農業を全く無視していました。
大金 食と農について考えるきっかけは、獄中結婚された藤本さんの影響が大きかったのですか。
加藤 圧倒的です! 子育てをはじめたことと、学生運動から裁判を経て刑務所に入っていた彼の影響と、この2つ。彼は出所したらすぐ農民になるつもりでした。有機農業研究会の人たちや産直を始めた人たちと出会い、たちまち「大地を守る会」ができました。
大金 「大地を守る会」はインパクトがあった!
加藤 あったけれど、何の基礎もないところから始めたから、私も女房として必死でした。最初の年なんか、年末に「おでん」をいっぱい作って、配送から帰ってきた人に「ボーナスあげられないから、この『おでん』で!」とふるまいました。(笑)
大金 ご自身を「望郷の人」ともおっしゃっている。
加藤 土着へのあこがれとリスペクトがあります。ただ、藤本が千葉県に「鴨川自然王国」を作った時に、「リスペクトはあるけれど、私は土着できない!」と言いました(笑)。「ごめんね、私は風だから。あなたが土の人になってちょうだい!」と二居住生活を始めました。藤本と私は、一つのリンゴの半分ずつ。今は衰退しましたが鴨川は酪農の里で、その歴史を聞かせてもらったことがあります。これは国やJAに対して少し「問いかけ」になるのだけれど、「3・4牛乳」のために日本で生まれて草を食べている牛はダメだとなった。外国から輸入した受精卵を1個40万円くらいで買って、牛のお腹に入れて出産してもらい、輸入飼料を食べさせる。
大金 「近代化」一辺倒の規模拡大ではなく、農業の基本的価値が大切だと?
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