JAの活動:【2024年新年特集】どうする食料・農業・農村・JA 踏み出せ!持続可能な経済・社会へ
【提言2024】「助け合い」は人間の記憶の古層にある 哲学者 内山節氏2023年12月29日
2023年、世界は地球沸騰化の時代に突入、地上ではロシアのウクライナ侵攻が続き、さらに中東情勢も深刻化、混迷と対立が深まるなかで2024年を迎える。本紙新年号は「踏み出せ! 持続可能な社会へ」をテーマに、世界情勢と日本の未来を見越して、農政をはじめとした政治、政策、そして農業協同組合への提言を幅広く識者に発信してもらう。
 内山 節氏(哲学者)
内山 節氏(哲学者)
20世紀の終盤に入った頃から、人間たちは、忘れていたことを少しずつ思い出すようになった。私たちは自然とともに生きなければいけなかった。社会は結び合い、助け合うことによってその健全性を維持してきたのだった。そんなことを少しずつ思い出しはじめた。
人間の記憶の古層には、長い時間に渡って人々が慣れ親しんできた精神や価値観がある。戦後の日本はそれを押し殺すようにして、資本主義的な市場経済を拡大し、個人主義的な社会、自然や農の営みを尊重しない時代をつくりだしてきた。だが現在、それらの問題点が意識されるようになってくると、人々は精神の古層にあった記憶を甦らせるようになってきた。
自然とともに生きる社会を求める意識は、今日では伝統的な自然信仰をも復活させはじめている。自分の利益だけを追い求める生き方に虚しさを感じる若者たちがふえ、その人たちは利他的生き方を探すようになった。利他とは仏教からきている言葉で、自然や他の人々のために生きることが、最終的には自分にも利益をもたらすという考え方である。さまざまな人々が、各地でコミュニティ、共同体づくりを試みるようにもなっている。人間は、結び合い、助け合ってこそ安心感のある社会をつくることができるという意識も広がってきた。
この変化は、農業や農村、協同組合への関心を高めていくことだろう。自然とともに生きる世界、結び合いながら暮らす世界、協同組合とともにある社会は、農民が農村に築こうとした社会だったからである。
記憶の回復は、農業、農村、協同組合の価値を甦らせる。
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