JAの活動:【2024年新年特集】どうする食料・農業・農村・JA 踏み出せ!持続可能な経済・社会へ
【提言2024】不道徳差配に抗議を 京都大学大学院教授 藤井聡氏2024年1月31日
2023年、世界は地球沸騰化の時代に突入、地上ではロシアのウクライナ侵攻が続き、さらに中東情勢も深刻化、混迷と対立が深まるなかで2024年を迎える。本紙新年号は「踏み出せ! 持続可能な社会へ」をテーマに、世界情勢と日本の未来を見越して、農政をはじめとした政治、政策、そして農業協同組合への提言を幅広く識者に発信してもらう。
京都大学大学院教授 藤井聡氏
農業関係者は、政府の不道徳を理解し、徹底抗議せねばならない。
「農業振興」「農村振興」というと、今の自民党政権では長らく「無論大事だ」とは言うものの、政権全体の差配を見ていると、その言葉は単なる「タテマエ」であって決して「本気」で口にしているわけでは無い事は明白だ。
貿易交渉において農業は常に、外国の自動車等の工業製品の「関税」を引き下げるための取引材料に使われ続けた。つまり政府はこれまで様々な貿易交渉で、外国政府に、その国の工業製品の関税引き下げてもらう事の「バーター」として、農業振興、農村振興において絶対的に必要不可欠な農産品の関税を「引き下げる」という事が繰り返されてきた。それではその代わりに、「農業振興」「農村振興」のために必要な各種取り組み(農業土木投資や各種補助金)のための政府支出が「十分」におこなわれてきたのかといえば全くそうではない。事実、「農業産出額の年間総額に対する政府の支援額の割合」は、スイス、米国は6割以上、英国やフランスにおいても4割以上であるにも関わらず、日本においてはわずか2割代でしかない。つまり日本の農業のための政府支出は、先進国中最低水準なのだ。
これでは、「俺は子どもの教育は大事だと思っている!」と口では言うものの、実際に子どもを守る努力も支出している教育支出の割合も同級生中最低ランクの親と同じだ。そんな親は、口に出す言葉とは裏腹に子育てに対して全く不真面目な不道徳で品性下劣な親でしかない。要するに、ここ最近の我が国の自民党政府は農業に対して不道徳で品性下劣な政府なのだ。
この状況下で農業振興、農村振興を果たすには、虐げられている農業・農村関係者が一致団結し、互いに助け合いながら自力で生き残る努力を重ねると同時に、政府の不道徳さを認識し徹底的に抗議し続ける他ない。それは、虐待両親の下で生まれた子どもたちは兄弟同士助け合いながら、両親の不当な虐待を止めさせるために全力で抗議し続ける他ないのと同じなのだ。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日