円安、燃料高で漁業に打撃 イカ釣り一斉休漁2013年4月27日
円安・株高が進む中、
急激な円安で燃料費が高騰し、漁業に深刻な影響が出ている。沿岸のイカ釣り漁業(30t未満)を束ねる全国いか釣り漁業協議会は、国の緊急支援を求めて4月26、27日、傘下の漁船約4000隻を一斉に休漁させた。このまま円安が続くと、さらに行動を拡大し、燃料費高騰の支援策を政府に求める考えだ。
イカ釣りはイカをおびき寄せるための夜間の照明に大量の燃料を使うため、特に燃料高の影響を受ける。安倍政権になってから急ピッチで円高が進み、輸入の油が高騰した。
全漁連によると、原油価格の高騰で、今年2月のA重油価格は1リットル約95円。安定していた昨年11月に比べ30円以上値上がりしている。
漁業者は集魚灯の光力削減など懸命に努力してきたが、それも限界。魚価の低迷と相まって「漁業者の経営体力を削ぎ、イカ釣り漁業者は生産体制を維持できるか廃業するかの瀬戸際にある」(全漁連漁政部)と訴える。イカ釣り漁業はコストの中で燃料費が3割近くを占め、タクシーやトラックなどの輸送事業の4~7倍に達する。
漁船の燃料に使うA重油は2008年夏に高騰し、全魚連は全国の漁協に呼びかけ、約15万隻の漁船を一斉休漁したことがある。このとき政府は、緊急対策として漁業者に補助金を出すなどの支援を行った。
現在、国と漁業者が折半で拠出する基金があるが、大幅な燃料費の値上がりで漁業者の負担も大きくなり、この補てんを受けても赤字になるという。「今度の急激な円安は政策的な背景がある。保険で補償するのでなく、はなく、緊急支援措置が必要」と、全漁連漁政部は強調する。
イカ釣りは、スルメイカを追って、九州から北海道まで移動しながら操業し、6、7月がピーク。さらに円安が続くと他の業種の漁への影響も大きくなる。
全漁連では5月29日、全漁業種の漁民に呼び掛け、東京・日比谷で2500人規模の集会を予定。併せて、別の形を含めて、幅広い抗議行動を計画している。
(写真は2008年7月の日比谷公園でのデモの様子)
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