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【TPP】JAが政治力結集の取り組み強化2013年8月9日

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 JA全中は8月8日の理事会でTPP(環太平洋連携協定)交渉に対する今後の運動の基本的な考え方を決めた。▽情報収集の強化と戦略的な情報発信▽広範な国民各層との連携による理解促進運動の展開▽与党内の政治力結集の取り組み強化、の3点を柱に12月末まで運動を展開する。

◆交渉加速化を警戒

 TPP交渉への正式参加という新たな局面を迎え、JAグループは与党や国会の決議に即した交渉を求め、主張を反映させることが重要になるとした。
 交渉参加国はマレーシア会合で年内の交渉妥結と10月の大筋合意という野心的な目標を日本も含めて共有したとされている。米国のオバマ大統領は7月30日のスピーチで「交渉で最良の貿易協定を勝ち取るために議会に権限を求める」と述べ、大統領に通商交渉についての一括権限(TPA)を与える法案の成立を期待した。
 しかし、TPA法案に盛り込む内容で議論が続くなかで、8月には議会が休会となり、見通しは不透明な状況だ。そのため年内合意は困難との見方が支配的になっている。
 ただし、8月22日からブルネイで開かれる次回会合で冒頭に関係閣僚会合が開かれると報道されているほか、日本の政府TPP対策本部も「ブルネイから難しい問題を加速させようということは合意された。(ブルネイ会合の)10日間は正念場」(対策本部の澁谷和久内閣審議官)と認める。
 さらに日本は米国との二国間協議を抱えており、自動車、保険、SPS(食品安全、動植物の健康、検疫などの協定)など非関税措置についてTPP交渉の妥結までに取り組むことが確認されており、TPP交渉の動向を合わせて二国間協議についても十分に注視していかなければならない。

◆国会議員に働きかけ

 こうしたなかでJAグループは情報収集の強化と戦略的な情報発信に取り組む。具体的には、国内での情報収集に加え、米国をはじめ海外の多様なルートから収集する。また、TPPに反対する大学教員や弁護士の会などの専門的知見も活用していく。
 さらに各国とも利害関係団体の主張が交渉スタンスに反映されていることから、交渉参加国の農業団体と連携が重要になるとして、JA全中ではTPP対策中央本部委員会委員を中心に米国、カナダ、マレーシア、ベトナム、豪州、ニュージーランドに代表団を派遣することを検討する。
 同時に国民各層との連携による理解促進運動は、引き続き各県域で多様な取り組みを展開するほか、ホームページ「考えてみようTPPのこと」を刷新、充実させるとともに、ネットワーク団体との学習会の定期開催、動画発信による理解促進の取り組みを行う。
 また、今後3年間は国政選挙が見込まれないなかでは、政権与党との関係が極めて重要になるとして、自民党議員に対してはとくに新人議員を中心に「TPP交渉における国益を守り抜く会」への入会、会合出席に働きかけなど、勢力拡大を図る。首脳級、閣僚級会合がある際、意思結集をはかる必要があると判断した場合は、全国農政連によるTPP情報交換会の開催など、政治力結集の取り組みを検討するとしている。


TPP交渉の分野別状況(JA全中のとりまとめ)

【知的財産】
○米国は著作権の保護期間を著者の生存期間プラス70年に延長することを提案。各国は反対している模様。日本の現行法令では50年。○米国は先行医薬品に関し、TPP交渉参加国で販売承認を受けたものを域内の別の国で一定期間内に販売申請した場合には、より強い保護が受けられるとする提案を提出。論争の焦点になっている。また、バイオ医薬品の一部についてデータ独占期間の長期化を打診している模様。

【環境】
○米国は議会対策を念頭に「環境関連の多国間取り決め(絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引条約、海洋汚染防止条約、ラムサール条約などを想定か)」に即して国内法を整備することや、環境の章をTPPの紛争処理手続きの対象にすることを主張。
○米国以外の参加国は、紛争処理手続きのような強制力を有する環境規制ではなく、環境保護の推進に向けた協力の枠組みを作れば十分と主張。
○米国は漁業補助金廃止を提案。マレーシアや中南米諸国が反対している模様。

【競争政策】
○米国は規制・制度面の優遇や補助金受給など、民間企業との競争条件が平等ではないとして国有企業の規制を主張。
○マレーシア、ベトナム、シンガポールは政策・経済面で国有企業や政府出資企業は重要な存在のため柔軟なルールを追求。国有企業の定義、国有企業規制の是非、行動指針などをめぐり議論は収れんしていない模様。
○豪州は米国提案より中立的な提案。国有企業かどうかは、国による出資の有無ではなく「競争上の中立性」の観点で判断すべきと主張。
○米国は、公平な競争環境の確保を理由に、NZの酪農協同組合企業フォンテラを取り上げられないかを検討。

【原産地規則】
○米国は繊維・衣料品の原産地規則として「ヤン・フォワード原則」を主張。(NAFTAや米韓FTAで採用されている原産地規則。関税減免の対象となる繊維・衣料品を原糸・綿からすべて域内で生産されたものに限定)ベトナムは中国で生産された原糸などを多く使用して衣料品を製造・輸出していることから強硬に反対。
○そのため米国はTPP域内で今後生産の見込みのないものや、当面不足すると見込まれるものについては「供給不足品目リスト」に掲載し、例外扱いとすることを提案。リストに関する協議が行われている模様。

【SPS】
○米国は、▽SPS措置に関する意見対立を解決するための「協議メカニズム」▽生鮮品輸入時のSPS措置をめぐる対立を迅速に解決するための「迅速対応メカニズム」、を提案。しかし、米国内の業界団体は相手国に対する強制力を有していないことを理由に、不十分と批判。
○ペルーは米国案に対し、SPSの章をTPPにおける一般の紛争解決手続きの対象にすべきとの提案を行った模様。

【政府調達】
○米国がこれまで締結したFTAでは州レベルの調達に関する取り扱いは各州に委ねられていた。そのため米国は中央政府の調達に焦点を絞って交渉を進めており、地方政府の調達については先送りしている模様。
○マレーシアは政府調達におけるマレー人所有企業の優遇措置を除外するとのオファーを提示。今後もその政策は維持するとしている。

【労働】
○米国は1998年に採択されたILO(国際労働機関)宣言の内容(労働者の結社の自由、団体交渉権の承認、強制労働・児童労働・雇用と職業における差別の禁止など)を各国が法制化するよう義務づけようとしており、違反した場合はTPPの紛争処理手続きに付して報復措置がとれるようにすべきと主張。
○ベトナム、ブルネイ、マレーシアなどは米国提案に慎重・反対。またカナダは違反があった場合に取り得る措置に関して米国より緩やかな提案を行っている模様。

【電子商取引】
○米国提案は、国境を越えたデータの移動や集積を妨げる各国の規制を撤廃させ法的に強制力のある規律を盛り込もうとしている。一方、豪州とNZは個人情報保護に関する国内法に抵触するおそれがあるとして米国提案に反対。

【投資】
○米国は投資家が国を提訴することができるISD条項は、投資先国における投資家保護を図るために不可欠としてその導入を訴えている。マレーシアは同条項の導入に前向きな姿勢。一方、豪州はISD条項を同国に適用することに反対。


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