中央会規定の削除求める 規制改革会議2014年11月13日
政府の規制改革会議は11月12日、「農業協同組合の見直しに関する意見」を決めた。中央会制度については、純粋な民間組織として自主的・自律的に活動するためにも「農協法から中央会に関する規定を削除することが適当」とし、「経団連等と同様、一般社団法人となり、会員のリクエストに応じた調整等を行えばよい」としている。農協法では第3章で中央会を規定しているが規制改革会議の「意見」は第3章全体の削除を求めたことになる。今年6月に閣議決定した規制改革実施計画には盛り込まれていない方針まで提言した。
12日は第19回農業ワーキンググループを開き、JA全中などからJAグループが6日にまとめた自己改革についてヒアリングと意見交換を行ったのち、「農業協同組合の見直しに関する意見」を決めて公表した。この農業WG会合には岡素之議長が出席したことから「規制改革会議」の意見として決めた。
全中・県中については「単協が自主的に組織する純粋な民間組織として自らの実力で組織を束ねればよい」、「(監査機能、代表機能など)諸機能は組合員・単協から求められているとのことであるが、それならば法律上の権限を背景とすることなく任意の求めに応じる形で、関連する事業を遂行していくことができる」などと指摘している。 また、監査についても「単協の経営相談と監査を同一の主体が実施することは監査の独立により、その信頼性を確保していくうえで問題がある。全中監査は真の意味での外部監査とは言い難い」などとして、「農業協同組合法から中央会に関する規定を削除することが適切であり、後継組織は経団連等と同様、一般社団法人となり、会員のリクエストに応じた調整等を行えばよい」と一般社団法人化を提起した。
准組合員問題についてもJAグループがJAへの運営参画を推進しようとしていることについて「『農業者の協同組織』という農協の原点から一層かい離する」と批判、地域振興のための事業については「会社化・生活協同組合化」し准組合員の利用規制を数値基準も明確にして導入することを求めている。
営農と地域での暮らしを支える農協の総合事業、協同活動を否定するもので、組合員の自主・自立で必要な事業体をかたちづくり運営するという根幹を無視した意見だといえる。
そのほか全農についても株式会社化し、農協法の規制・監督から解放され自由な経営が適当であるとした。ただし、その理由は明示されているわけではない。
規制改革会議は「今後の検討の進展をふまえて、さらなる提言をとりまとめることも検討したい」としている。
(関連記事)
・「自己改革案は不十分」 自民・稲田政調会長(2014.11.13)
・「農協は農業関係に専念を」 西川農相(2014.11.12)
・【現地ルポ・JAグリーン近江(滋賀県)】協同の力を結集し、水田フル活用実践(2014.11.12)
・「農協改革」テーマに研究会 農協研究会(2014.11.11)
・政府の規制改革に異議 協同組合学会(2014.11.11)
重要な記事
最新の記事
-
プロの農業サービス事業者の育成を 農サ協が設立式典2025年10月21日
-
集落営農「くまけん」逝く 農協協会副会長・熊谷健一氏を偲んで2025年10月21日
-
【サステナ防除のすすめ】水稲除草剤 草種、生態を見極め防除を(1)2025年10月21日
-
【サステナ防除のすすめ】水稲除草剤 草種、生態を見極め防除を(2)2025年10月21日
-
随契米放出は「苦渋の決断」 新米収穫増 生産者に「ただ感謝」 小泉農相退任会見2025年10月21日
-
コメ先物市場で10枚を売りヘッジしたコメ生産者【熊野孝文・米マーケット情報】2025年10月21日
-
【JA組織基盤強化フォーラム】②よろず相談で頼れるJAを発信 JA秋田やまもと2025年10月21日
-
【中酪ナチュラルチーズコンテスト】出場過去最多、最優秀に滋賀・山田牧場2025年10月21日
-
11月29日はノウフクの日「もっともっとノウフク2025」全国で農福連携イベント開催 農水省2025年10月21日
-
東京と大阪で"多収米"セミナー&交流会「業務用米推進プロジェクト」 グレイン・エス・ピー2025年10月21日
-
福井のお米「いちほまれ」など約80商品 11月末まで送料負担なし JAタウン2025年10月21日
-
上品な香りの福島県産シャインマスカット 100箱限定で販売 JAタウン2025年10月21日
-
「土のあるところ」都市農業シンポジウム 府中市で開催 JAマインズ2025年10月21日
-
コンセプト農機、コンセプトフォイリングセイルボートが「Red Dot Design Award 2025」を受賞 ヤンマー2025年10月21日
-
地域と未来をさつまいもでつなぐフェス「imo mamo FES 2025」福岡で開催2025年10月21日
-
茨城大学、HYKと産学連携 干し芋残渣で「米粉のまどれーぬ」共同開発 クラダシ2025年10月21日
-
まるまるひがしにほん 福井県「まるごと!敦賀若狭フェア」開催 さいたま市2025年10月21日
-
北〜東日本は暖冬傾向 西日本は平年並の寒さ「秋冬の小売需要傾向」ウェザーニューズ2025年10月21日
-
平田牧場の豚肉に丹精国鶏を加え肉感アップ 冷凍餃子がリニューアル 生活クラブ2025年10月21日
-
誰もが「つながり」持てる地域へ 新潟市でひきこもり理解広める全国キャラバン実施2025年10月21日