「長期エネルギー需給見通し」で意見書 パルシステム生協連2015年7月2日
パルシステムは、政府が募集している「長期エネルギー需給見通し(案)」へのパブリックコメントに対し、意見を提出した。
政府の長期エネルギー需給見通し委員会は、6月2日(火)、2030年度のエネルギー需給構造見
通しを発表し、パブリックコメントの募集を行っているが、これを受けてパルシステム連合会は6月26日(金)、上田隆之資源エネルギー庁長官あてに意見を提出した。
要求した項目は、以下の通り。
1.自然エネルギーは、2030年に少なくとも30%以上を目指すべき。
2.省エネルギーは、少なくとも20%以上を目指すべき。
3.原発への依存はなくしていくべき。
4.地球温暖化対策に逆行する石炭火力は減らすべき。
「パブリックコメント」の全文は以下の通り。
「長期エネルギー需給見通し(案)」についての意見
1.自然エネルギーは、2030年に少なくとも30%以上を目指すべきです
(1)多くの先進国が2030年には40%以上の自然エネルギーを目標にしています。日本でも、少なくとも30%以上とすべきです。
(2)自然エネルギーは、国際的には安価になっています。日本でも大量の普及を可能にして、安価な自然エネルギーのメリットをいかすべきです。
(3)地域主体の分散型エネルギーである自然エネルギーを拡大すべきです。
(4)いまこそ安全、平和、低炭素のエネルギーである自然エネルギーを推進すべきです。
(5)自然エネルギーを増やして海外からの燃料輸入を減らし、その経済効果によって国と地域を豊かにすべきです。
2.省エネルギーは、少なくとも20%以上を目指すべきです
(1)日本の電力消費量は、震災後に既に8%減少しました。2030年までに少なくとも20%以上の省エネをめざすべきです。
(2)過去20年あまり、日本の省エネ政策は停滞してきました。欧米以上の政策を策定し、実行すべきです。
3.原発への依存はなくしていくべきです
(1)省エネの促進、自然エネルギーの拡大、天然ガス発電とコージェネレーションを推進すれば、2030年に原発を動かす必要はありません。原発への依存はなくしていくべきです。
(2)2030年に原発の割合を20%以上にするためには、多くの老朽原発の運転を延長させる必要があり、事故リスクを高めます。原発への依存はなくしていくべきです。
(3)震災後の電気料金の上昇は原発の停止が主因ではありません。原発がない沖縄電力も同じように料金が上がっています。
(4)日本での原発の新増設、リプレースには国民的な合意が得られません。強引に運転延長をしても原発で供給できる電力はどんどん減っていきます。早期に原発依存から脱却すべきです。
4.地球温暖化対策に逆行する石炭火力は減らすべきです
(1)石炭火力発電は、最新型でも二酸化炭素排出量が、天然ガス発電の2倍です。石炭火力の増強はやめるべきです。
以上
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