TPPの問題点暴く 「米国議会は批准否決も」 外国の専門家招き 生協総研がフォーラム2016年2月23日
合意内容が明らかになってきたTPP(環太平洋連携協定)が参加各国にどのような影響を与えるか、大統領選を控え、批准をめぐる議会の動向が不透明なアメリカはどうなるか。公益財団法人・生協総研は2月22日、東京で「TPPフォーラム」を開き、同国の格差問題と政治情勢に詳しい2人の専門家を招き、TPPの与える影響と予想される問題について、講演とパネルディスカッションを行った。約300人が参加した。
講演したのは、開発問題や南北問題を取り扱う国際連帯組織「サード・トレード・ネットワーク」のリーガル・アドバイザー兼シニア・リサーチャーのサーニャ・リードスミス氏と、米国の弁護士・コンサルタントのトーマス・カトウ氏。
両者は、TPPが日本の農業・食の安全、協同組合事業への影響、さらに議会や大統領選など米国における政治情勢等について話した。
基調講演したリードスミス氏は、14項目にわたってTPPが及ぼす影響について問題点を指摘。農業分野では、米国の輸出補助金等を挙げ、「コスト割れになっても輸出できる仕組みになっている」と指摘した。
また協同組合への影響では、「すべてのサービス部門と金融サービスは、除外するものとして合意されているものでない限り、TPP締約国の企業は、日本のすべての分野にいくらでも参入してよい」と説明。その対象となる、保険と差別されない共済制度の危機を強調した。
ISDS条項(投資家と国家の紛争解決)では、日本の畜産の「マルキン」について、すでに米国の畜産団体が問題にしているが、それら含め「米国は手をこまねいている」と言う。その例として米国と自由貿易協定を結んだドミニカに対して、締結2週間後に企業が多くの申し立てを行ったことを挙げた。
またカトウ氏は、米国の上・下院の勢力状況を説明し、下院でTPA法案が僅差で成立した背景と、いま始まっている大統領予備選挙の情勢から、TPP法案は「批准されないに近い」と分析。その上で11項目の有益でない問題点を挙げる。
国民や消費者、労働者、学生、主婦、子どもにとって有益でない点として、格差社会の拡大や製造業労働者の海外流出、サービス産業労働者の不安定化、学生が失う長期ビジョン、雇用の不安定化による家計の不安定化、マネー優先社会が子どもに与える影響等について具体的事例を挙げて説明した。
その上で、反対運動にとって最も太いつながりのある一般消費者を「もっと表に出して、たたかうべきだ」と主張した。なお、同日東京地裁で開かれたTPP交渉差止・違憲訴訟の第3回口頭弁論の報告が行われた。
(写真)300人が集まり、関心の高さを示したTPPフォーラム(衆議院議員第1議員会館で)
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