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TPPは憲法を破壊する 生活クラブ生協・千葉がTPP学習会2016年2月5日

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 2月4日、日本時間の午前7時40分。TPPの署名式がニュージーランドで行われた。その3時間後、おそらく署名後最初といえる「TPP学習会」を、生活クラブ生協千葉(通称:生活クラブ虹の街)が船橋市で開催した。

◆TPPは生活の基盤、全産業の基本法になる

講演する岩月弁護士 生活クラブ生協は、一貫してTPPに反対する意見を表明してきているが、昨年10月の「大筋合意」以降も、TPPの「全貌や私たちの生活における影響についてはまだわからないところ」が多々あり、「とにかく事実を知ってもらうことの努力をすることが大事だ」と考え、このTPP学習会「どうなる?どうする!私たちのくらし」を企画した。学習会の講師は、TPP交渉差止・違憲訴訟弁護団協同代表の岩月浩二弁護士。
 岩月弁護士は「TPPは憲法を破壊する グローバル資本が暮しの仕組みを支配する」と題して、TPPの本質・問題点を分かりやすく講演した。
 岩月弁護士は講演の冒頭で、日本ではTPPについて関税問題が中心といわれているが、弁護士の立場からみるとTPPという「自由貿易協定のあり方を端的に示すのは『ISD』だ」と強調した。横文字で覚えずらかったら「インチキ・サイバンで・ダイソンガイ」と覚えればいいとジョーク交じり語り、会場を和ませた。さらに署名し批准されれば終りではなく、2月2日の東京新聞朝刊が「全農産品関税撤廃の恐れ」と伝えたように、「継続的なもの」だとも指摘した。
 そしてTPPは国際条約なので国内法より優先されるものであり、「全ての産業の基本法」となり、「生活の基盤となる」もので、「立法、司法、行政はこのTPPに拘束される」。しかも、膨大な量の条約の正文は「英語、スペイン語、フランス語」だけで「日本語の正文はない」ことの危うさを指摘した。

◆非関税障壁の除去が最大の狙い

 それではTPPの目的はなにか。
 それは「障壁を除去し物品及びサービスの貿易を円滑化する」ことにあり、そのために「公平な競争条件を促進する」「投資機会を拡大する」「知的財産の適切かつ効果的な保護と執行を提供」「貿易紛争を防止し解決する効果的なメカニズムを創設する」ことを目的としている(原協定 第1章第1条)。
 そしてここでいう「障壁」は関税だけをさしているのではなく「貿易の障害となる各国の規制、制限、私人・私企業による慣行など、国際的な経済活動の公正な競争を妨げる全て」つまり「非関税障壁」をさしている。岩月弁護士は、関税は「工業製品においては、たいした障壁とはならない」。むしろ「非関税障壁の除去」がTPPの最大の目的だと指摘する。
 では非関税障壁とは具体的に何か。私たちのくらしの視点からみれば、一つは「衛生植物検疫(SPS)」であり、もう一つが「貿易の技術的障害(TBT)」だ。
 「SPS」は食の安全基準に関わる問題だ。日本人が普通に考えれば「安全だという科学的証明がされた食品の流通を認める」ということになるが、TPPでは、貿易を制限するためには「有害であることを証明する十分な科学的証拠を示さなければならない」となり、有害だという科学的証拠が示せないものは、輸入を止めることはできず、自由に流通できることになる。
 そしてすでに前倒しで、BSEによる米国産牛肉の輸入制限解除、遺伝子組換え食品の安全性審査の迅速化(2009年までは年に数件から20件以内だったのが、TPP参加表明後の2013年には90件以上)、オーガニック食品の企画の相互承認などが実施されている。
 「TBT」は、規格が貿易障壁にならないようにするので、「遺伝子組換え食品の表示」や「自動車の環境基準」などが問題となってくる。

◆非民主的な仕組「ISD」

 冒頭で岩月弁護士が指摘した「ISD」とは、外国投資家が、相手国の措置によって「合理的な」期待利益が得られなかったとき、相手国に国際裁判(仲裁)を強制する制度だ。
 しかしこの「仲裁」は常設の国際裁判所のようなところでなされるのではなく、「その都度、私的に仲裁人を選び」、原告である「外国資本」が1人、被告である「国」が1人、両者の合意で1人(裁判長)の3人の「仲裁人」で行われるもので、第3の仲裁人(裁判長)が合意で決まらなかった場合は「世界銀行総裁」が指名することになっている。そしてこの裁判は、「その場限りの裁判所」で、裁定をだしたら「解散」する。「だれにも責任を負わない」し「上訴なし」という「常設国際司法裁判所とは全く異なる、非民主的」なもので、「外国投資家に国家以上の力を与える」ものだと岩月弁護士は指摘した。


◆書き換えられる日本国憲法

 そして、TPPは国際条約であり、日本では国内法に優先するので、日本国憲法第25条(生存権)1項は「すべて国民は、【外国投資家の利益を害さない範囲で】、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」に、同2項は「国は、【外国投資家の利益を害さない範囲で、】すべての生活部面について...」(【】内実質追加される)と憲法も実質的に書き換えられることになると岩月弁護士は指摘した。その他、医療や教育などを含めてTPPの危険性について、具体的に解説された。

  ×  ×  ×

 会場には、平日の朝にも関わらず100名超える人たちが参加し、熱心にメモを取りながら講演に聞き入っていた。
 参加者の一人は、「今後の日本はどうなるのか? 母親として不安だ。どういうことに注意してくらしていけばいいのか、子どもに何を伝えていくのか、考えさせられた」と語ってくれた。
(写真)講演する岩月弁護士

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