【熊本地震】農林水産関係被害1085億円超-農林水産省2016年5月10日
農林水産省は5月9日、平成28年熊本地震による農林水産関係被害を公表した。同日午前10時現在で1085億円となっている。
9日に開かれた農林水産省の緊急自然災害対策本部第6回会合で森山農相は「現在も余震が続いており、現時点で1100億円程度の被害額になるのではないかといわれているが、さらに増加するのではないかと考えている」と見通しを述べ、同時に現地視察では広域かつ甚大な被害が出ているが「被災された農林水産業に従事しておられるみなさんが再生産に(向けて)がんばろうという気持ちを持っておられることを力強く思った。しっかり支えることが大事なことではないかと思っている」として被害状況と合わせて支援対策も公表した。
農林水産省の被害状況のまとめは熊本県と大分県のほか報告が上がっている計7県の被害をまとめたもの。
農作物への被害は熊本と大分が発生し▽農作物の損傷195ha(被害額1.1億円)、▽家畜の斃死等54万1330頭羽(同9.8億円)、▽共同利用施設の損壊等185か所(同142.9億円)、▽農業用ハウスの損傷113件(同5.2億円)、▽畜舎等の損壊1163件(同127.6億円)となった。合計で286.6億円となった。
農地・農業用施設関係の被害では農地の損壊3035か所(同88.2億円)、農業用施設等の損壊3158か所(同401.7億円)など計489.9億円となった。
このほかに林地荒廃など林野関係被害289.1億円、水産関係被害20.1億円が報告されており、併せて1085.6億円となった。
熊本県内では水田の作付けに向けて引き続き調査を実施するとともに、被害の査定前に復旧工事を着工している。
このうち約2000haが断水していた菊池台地地区は、土地改良区等による迅速な応急工事を実施しており、5月中旬には全面的に通水が可能となる見込みとなっている。
また、県管理の農地海岸は12海岸で堤体の沈下と亀裂を確認。復旧工事については9日の蒲島知事の要請もふまえて国の直轄代行で実施する方向で検討している。
(熊本地震の関連記事)
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