【台風10号】北海道 被害面積1万2000ha超す2016年9月7日
台風10号の農業に対する被害について、農水省は9月6日、農作物などに1道3件で1万2945haの被害があったことを公表した。北海道が6日に発表した資料では農作物などの被害1万2310haで、農水省発表の被害面積のほとんどが北海道だったことが分かった。
農水省は6日正午現在、農作物などに北海道・青森・岩手・宮城で1万2945ha、被害額3000万円。家畜の斃死が岩手県で3万5544羽、生乳が北海道で278t、農具用ハウスなどが北海道・青森・岩手・宮城で2497件、被害額1000万円、畜舎で北海道・岩手・宮城が338件の被害があったと報告した。
◆北海道
北海道が6日10時に公表した資料によると、農作物などに1万2310.9haに被害があった。(現在も調査中の地域がある)このほか畜舎などの損壊が2514棟、生乳の廃棄や牛・豚・鶏の水死もあった。
農作物などの被害面積のうち8881.2haは十勝総合振興局管内。このうちバイレショの被害面積は2572.7haで最も被害が大きかったのは士幌町で560.0haに被害が出た。同局の担当者は「3度来た台風の中で10号がもっとも影響が大きかった」とし、「農地が流出していて正確な被害把握が難しい」と話した。
また今後について、別の担当者は「雨の影響でほ場がぬかるみ、収穫に遅れが生じている」点で影響があると指摘。1日現在でバレイショの収穫は7日遅れが生じている。 各振興局ごとの被害の詳細は次の通り。
空知=ソバなどの倒伏5.1ha、ビニールハウスの損壊7棟
石狩=果樹の落果・スイートコーンなどの倒伏が23.5ha、ビニールハウス・納屋の損壊13棟
後志=スイートコーン・飼料用トウモロコシなどの倒伏が333.1ha、ビニールハウス・牛舎・納屋の損壊96棟
胆振=水稲などの倒伏、リンゴ・ブドウの落果など565.5haで、このうち特に伊達市では飼料用トウモロコシ、水稲に100ha以上の被害が発生したほか、農業機械が強風で損壊した。ビニールハウスの損壊は343棟
日高=水稲などの倒伏が63.6ha、ビニールハウスの損壊11棟、通行不可による生乳の廃棄1.6t
渡島=ネギなどの倒伏が508.3haで、このうち七飯町でナガネギが強風により120.0ha倒伏した。ビニールハウス・牛舎・納屋の損壊が782棟で、北斗市・知名町・七飯町ではビニールハウスの損壊がそれぞれ187、191、103棟あった。停電による生乳の廃棄は29.0t。
檜山=飼料用トウモロコシなどの倒伏が1258.9haで、厚沢部町で大豆に107.8ha、今金町で水稲140.0ha、大豆492.0haの被害があった。ビニールハウスなどの損壊が1048棟で、とくに今金町でビニールハウスが371棟、せたな町で牛舎83、納屋など161、ビニールハウス400棟、農業機械5件が損壊した。停電による生乳の廃棄が今金町で29.0t、せたな町で5.8tあった。
上川=作物の浸水・冠水が河川氾濫などで276.3ha、大雨で3.9haあり、特に南富良野町ではニンジン96.0hなどが河川氾濫で冠水した。ビニールハウスの損壊が84棟だった。
留萌=牛舎の損壊5棟
宗谷=牛舎・納屋の損壊15棟
オホーツク=テンサイ、バレイショなどの浸水・冠水が251.5haで、特に北見市ではタマネギ124.0haが大雨で冠水した。
十勝=作物の浸水・冠水などのうち河川氾濫によるものが522.5ha、大雨などによるものが8358.7ha。ビニールハウス・牛舎・納屋の損壊110棟。停電などによる生乳の廃棄が120.0t。大雨による水死が牛で15頭、豚が1080頭、ブロイラーが7万5000羽だった。
釧路=牧草の浸水など140.0ha
◆岩手県
岩手県では7日6時現在、既報より被害状況が大きくなった。農業施設でパイプハウスの破損や浸水が119棟、豚舎の破損が1棟、農作物などで500.2ha。集荷不能などでの生乳の廃棄が100t、農地・農業用施設で287箇所に害があった。
(写真)大雨で冠水した作物
(関連記事)
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