JA間の競争求める声も-未来投資会議・規制改革会議2016年9月21日
政府が9月に新たに設置した未来投資会議の構造改革徹底推進会合は9月20日、規制改革会議農業WGの第2回会合と合同会議を開いた。生産資材価格形成の仕組みの見直しと加工・流通業界構造の確立をテーマに農林水産省などからの説明をもとに意見交換した。
生産資材の製造・流通と、農産物や食品などの流通・加工については9月13日と14日に自民党の骨太方針策定PTに提出した農水省資料を同省が説明した。
出席した委員からは農産物の流通、加工の現状をふまえて「どう農業者が付加価値を取るところに出ていくか、プライス・メーカーに変わっていくかが課題」との意見や「卸売市場での委託販売は必ず全量引き取ってもらえるが価格決定権がない。生産者側が出荷量を調節しないと価格決定に加われない」などの問題点の指摘があった。
また、農業所得を上げる「契約生産による業者への直接販売」の重要性を指摘する意見もあったが、同時にそのために卸市場の抜本的な改革も必要だとの主張があった。
契約生産によって市場を介さずに販売する直接販売ルートと同時に、欠品を回避するために市場からも調達できるように▽卸売業者が仲卸や売買参加者以外の食品製造会社などにも売れるようにする第3者販売を認めること、▽出荷者が卸売業者を通さずに仲卸と取引することを認める、▽商物一致の市場の原則を見直し、特例的に商流と物流の分離を認めるといった市場法の改正を求める規制緩和論が出た。
生産資材問題では「肥料や資料は農家サイドに選択の余地がないことが問題。あちこちのJAから選べるようにするなどJA同士の競争が大事だ」、「生産資材でのJAのシェアが大きいのであれば、もっとJAが価格決定権を持っていいのではないか」など、JAに生産資材価格引き下げの努力を求める意見があった。
また、韓国の状況についても委員から「以前は複数あった農家の購入先が、農協が安いから100%になった。農協から買う方がいちばん安いのが当たり前ということではないか」といった意見もあった。
農水省はこうした意見に対して一部のJAでは安く資材を仕入れて販売しており、JAも入札や系統以外の安いところから買う努力が必要と回答したほか、他のJAにも取り組みが広がるよう「価格の見える化」を進めていくなどと回答した。
そのほか委員からは農機について「国内での売り方も考えてみるべき」との意見や、農薬については「輸出に耐える(基準の)農薬ならば国産果樹の輸出も伸びるはず」との意見や、生産資材の製造、流通について「複雑な構造となっており、原点を見直していくべき」との指摘もあった。
未来投資会議は9月12日に初会合を行った。安倍総理は「成長戦略の新たな司令塔」と話した。石原伸晃経済再生担当大臣が担当。民間委員には規制改革会議の金丸恭文議長代理・農業WG座長や、榊原定征日本経団連会長、竹中平蔵東洋大教授、中西宏明日立製作所取締役会長、南場智子ディー・エヌ・エー取締役会長が選任されている。
今後、合同会議で議論をするかは未定だが、未来投資会議構造改革徹底推進会合が規制改革会議農業WGと同じテーマを議論することになっている。
(写真)未来投資会議と規制改革会議の合同会合
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