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2016.09.29 
肥料銘柄集約など資材引き下げ方針打ち出す-JA全農一覧へ

 JA全農は9月29日に開かれた自民党の農林水産業骨太方針策定PT会合で生産資材価格の引き下げに向けた取り組みについて説明した。肥料では銘柄集約による価格引き下げ、農薬ではジェネリック農薬の開発を促進する。

 JAグループが実施した生産資材価格調査のうち水稲用肥料は582JAからの回答を集計したところ約2300銘柄あった。
 このうち100JA以上で採用されている銘柄は10銘柄しかなく、しかもそれらは単肥など補助的肥料で、基肥など基幹的肥料はJA独自銘柄となっていることが多く、約1100銘柄がそれに該当した。
 背景にはメーカーの営業戦略や農産物の差別化もあるほか、県の施肥基準が作物ごと、品種ごとなど詳細に設定されていることもある。JA全農の調査によると、水陸稲は45県で合計811の施肥基準がある。麦類、野菜、果樹など全作物群では7000以上設定されている。
 JA全農は水稲、麦、大豆用に使用されている汎用的な一般化成肥料の300ほどで銘柄集約に取り組む。全国に点在する工場を集約し集中生産、集中購買で製造経費を引き下げる。また、農家直送による物流経費引き下げにも取り組む。
 そのほか▽生産者のニーズに対応したオーダーメイドBB肥料の拡大と広域供給、▽安価な輸入化成肥料の取扱い拡大のほか、施肥作業受託も検討する。
 これを実現するための必要な政策・規制緩和事項として▽施肥基準の緩和とそれに基づく集約銘柄の活用促進、▽特別栽培農産物の表示ガイドラインの基本的考え方の見直し、▽肥料業界の再編とそれに向けた法による支援などを上げている。
 農薬は567JAの回答で1465品目・規格があった。水稲殺虫殺菌剤は病害虫の種類が多く発生状況も地域によって異なるため品目数が多いのはやむを得ないものの、水稲除草剤は617品目・規格あり、JAグループは肥料と同様、品目数が過剰だとした。
 一方、今回の調査で大型規格の採用件数は4品目・規格にとどまっていることが示された。全農が取り扱っている水稲用大型規格は218品目あるという。
 こうしたことから水稲除草剤の品目集約と担い手直送の大型規格の取扱拡大、また、普及率の低いジェネリック農薬の登録制度を簡素化して新たなジェネリック農薬の開発も進める。また、防除作業受託も拡大する。
 農業機械は機能の絞り込みによる農機価格の引き下げ、「所有」から「共同利用」への転換、中古農機の流通促進などに取り組む。
 機能を絞った低価格モデルの開発については、この秋から青年農業者・法人と研究会を立ち上げて必要な性能について検討を進める。
 段ボールは主要な青果物の全国流通品目で、輸送距離と必要な強度をふまえた代表規格の設定や、県域の同一品目での規格集約の促進や、加工・業務用野菜では販売先と協議してコンテナへの切替を促進するなどの取り組みを進める。
 飼料についてはメーカー間の受委託製造拡大による操業率の向上、小ロット銘柄の集約による製造コスト削減などに取り組む。
 JA全農は年内にこれらの取り組みの工程表をつくる方針だ。9月27日の記者説明会で神出元一JA全農代表理事専務は生産資材価格引き下げの取り組みで「まずは1割のコスト削減」を実現したいとした。ただ、生産者の手取りを向上させるためには生産資材価格の引き下げだけでなく「労働時間の短縮化、多収技術の開発など生産性向上の取り組みが重要」とトータルでコストを削減し、販売力の強化とあわせて所得向上図る必要性も強調した。

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