霞ヶ関でTPP反対 熊本県農政連が座り込み2016年11月1日
TPP(環太平洋連携協定)の国会承認を巡る情勢が緊迫するなかで、熊本県農政連は11月1日、東京で「TPP抗議行動」を行った。JA組合長や生産者、青年部の代表ら約130人が衆議院議員会館・首相官邸前で座り込みや集会を行い、TPP反対をアピールした。2日まで続ける。
参加者は1日正午、議員会館前と首相官邸前に集まり、TPP反対の集会を開いた。支部ごとに緑の幟を立て、抗議の意思表示をした。熊本県内ではTPP批准に対する批判が高まっており、独自に反対集会を開いたJAもある。現場を代弁し、参加者はTPPを推進する政府への怒りを示した
農政連委員長の梅田穣・JA熊本中央会長は、「国会での審議をみると、政府は『影響はない。大丈夫だ』というだけ納得できる説明がない。熊本県は水害や大地震など災害が続き、TPPが発効すると農業をする人がいなくなる。強い農業をめざすのではなく、地域を守る農業を育てる農政であってほしい」と訴えた。
議員会館前ではTPPに反対する市民団体なども座り込みを行っており、それに参加していた山田正彦・元農水大臣が飛び入りで連帯のあいさつ。例外なき関税撤廃、再交渉、国産表示などで、TPPがいかに日本に不利な内容になっているかを説明し、アメリカの批准については、「大統領選後のオバマ大統領のレームダックの期間を警戒しなければならない」と指摘した。また国内の批准阻止運動に関しては、仮に今国会で批准されても国内法の改正という段階があり、「運動は終わりではない」と激励した。
集会ではJAの組合長や生産者などが「家族と自分のために農業をしているのではない。国の食料と地域の環境を守るためだ。そのことを消費者は分かってもらいたい」、「これまで支持してきた与党の国会議員にもっと頑張ってもらわないと」、「TPPが発効した後のことも考えているが、経営の見通しが立たない」などと話した。
(写真)TPP批准に抗議する熊本県農政連の座り込み(激励する山田正彦・元農水大臣)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日