金丸議長代理、全農の価格指導力に期待 規制会議WG2019年4月26日
規制改革推進会議農林WGは4月24日、JAグループによる農協改革集中推進期間における自己改革の実行状況等についてヒアリングを行った。
全国連と2JAが報告した。全国連からJA全中の比嘉政浩専務、JA全農の神出元一理事長と山﨑周二専務、農林中央金庫の大竹和彦専務、JA共済連の秋元雅博専務が、単位農協からはJA秋田ふるさとの小田嶋契組合長、JA北つくばの加倉井豊邦会長と吉川君男組合長が改革の取り組みを報告した。規制改革推進会議からは大田弘子議長、金丸恭文議長代理らが出席した。
JA全農は、神出理事長が「生産者の手取り最大化」を目指した生産資材事業と販売事業の改革の実践状況および「5年後、10年後を見据えた」全農が目指す方向を報告した。肥料、農薬、農業機械や資材、米穀、園芸、輸出対策など幅広い分野の改革内容を紹介し、生産者手取り最大化を目指し、モデルに指定した55JA・83経営体での成果を2019年から全国のJAに水平展開していくことなどを報告した。5年後、10年後を見据えた全農の目指す方向については、(1)自己改革の加速化、(2)作物別・品目別戦略策定による農業総産出額の計画的・段階的な拡大、(3)マーケットニーズをふまえた販売戦略の構築、(4)元気な地域社会づくりへの支援、(5)急変する海外動向に対応した新たな海外戦略の構築、(6)JAグループの機能分担の見直しと会員還元の最大化について説明した。
農林中央金庫は、JAバンクにおける自己改革の取り組み状況を報告。
農業者の所得増大・農業生産の拡大・地域の活性化に向けて、JAバンクがJAの営農経済事業の強化等に向けた側面支援や下支えを全農等とも協働してすすめていることを報告。またJAの経営基盤強化に向けた取り組みでは、全国600余りのJAのうち事業譲渡を検討するのは5JAで、多くのJAは単独もしくは合併により総合事業継続との結論に至るという見通しも報告した。
農家の専門委員からは、「合併で農家と疎遠になるのではないか」との声や別の農家の専門委員からは「効率化は高齢の組合員にとっては不便になることだ。しかたなく郵貯に切り替えることにつながらないか」といった疑問が出た。
農林中金は、合併にはメリット・デメリットがあるので、組合員に聞きながらJAが判断していくと回答した。
全中からは規模の小さいJAの合併は必要だろうが、集約することと分権することを見きわめて行く必要があるとの発言があった。
金丸議長代理は、神出新体制で全農の改革がダイナミックに進んでいると評価したうえで、農業者の所得還元にどこまで貢献したのか、また、農産物の価格決定権は本来農業者が持つべきと考えるが価格決定に全農の力は発揮されているのかと質問。神出理事長は、所得還元についてはマクロの統計ではなくミクロの個々の経営体の状況について見ていくこととしていること、価格決定に関しては、生産振興の取り組みと「全農グループMD部会」により、商品開発等の販売戦略に一体的に取り組み、食のトップブランドとしての地位を確立するため、パートナー先と組んでバリューチェーン全体を構築するなどと答えた。
金丸議長代理は全農の神出体制を高く評価し「多角的にダイナミックに改革を進めていることをまずは評価したい」との発言した。ただ、それぞれの組織の経営者が真剣に改革に取り組んでいることへの評価は礼儀として当然でだからと言って農協改革の進捗が満足できるということではないのではないか、との声もある。
JA秋田ふるさとは、組合長直轄で部門横断的対応を可能とする担い手支援室を設置するなどによる営農・経済事業の改革の実績を報告。JA北つくばは、農業者の所得増大に向け「専門業務従事者」として販売力強化のため営農指導・販売のプロ8人、買取米の販売を行う米のプロ1人、経営指導のプロ1人を育成・配置していることなどを報告した。
内閣府のWebサイトで、農林ワーキング・グループの議事次第が公開されている。議事録は後日公開される。
第10回農林ワーキング・グループ 議事次第(内閣府)
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